901
乾燥材普及に関するアンケート調査の結果について
井上 正文
(分大工)

田中 圭
(分大工)
津島 俊治
(大分県林試)
 乾燥材普及の現状および問題点を把握するため、木材業者(供給側)164社、建築設計業者79社、建築施工業者59社(ユーザー側)を対象に、住宅品確法施行による取扱量の変化、乾燥材として求める含水率、乾燥材の問題点やクレームの有無・内容などを調査するアンケートを実施した。アンケート結果の一例をあげると、乾燥材の取扱量の全取扱量に対する比率(建築業では構造材に対する比率)は、木材業者では平均26.9%であるのに対し、建築業では平均54.5%と高い値となった。また、木材業・建築業問わず、住宅品確法施行により乾燥材使用比率は上昇している。特に建築業では品確法施行後、「乾燥材しか使用しない」とした業者がかなり出てきている。また一方で、乾燥材として求める含水率は、木材業者が20〜30%の間が最も多く、これに対して建築サイドは10〜20%のものを乾燥材とする意見が最も多かった。このような乾燥材に対する認識の違いにより、クレーム等の問題が発生する結果となっていることが明らかとなった。


902
スギ心持ち柱材の天然乾燥について(V)
―表面割れ抑制のための前処理効果について―
三ヶ田 雅敏
(大分県林試)

豆田 俊治
(大分県林試)
 スギ心持ち柱材は約5ヶ月間、屋外天然乾燥と屋内天然乾燥の組み合わせ、あるいは屋内天然乾燥をすることによって、含水率(全乾法)20%以下にまで乾燥できることをこれまで報告した。しかし、天然乾燥では表面から乾燥が進むため、収縮によって材表面に割れ幅3o以上の表面割れが多く発生し、市場での評価を下げている。このため、天然乾燥の前処理として10時間の高温低湿乾燥処理(98℃で4時間の蒸煮後、乾球温度110℃、湿球温度80℃で6時間の処理)を行い、その後屋内及び屋外で天然乾燥を行って表面割れの抑制効果を検討したので、その結果を報告する。


903
ピロディン打ち込み深さに影響を与える諸要因
津島 俊治
(大分県林試)
 木材の比重、含水率、年輪構成が、ピロディン打ち込み深さに与える影響について検討したのでその結果を報告する。


904
住宅壁面温度の日変動
林 弘也
(琉大農)

寺元 渉
(琉大農)
 住宅の外壁は太陽光、空気中の水蒸気や周囲の構造物等から放射熱を受け温度を変化させ、日中にはかなり高温になる。しかし実際の壁面温度データはなく計算式による推定温度を取り扱っている。赤外線放射温度計により実壁面の温度を測定し各種住宅の壁面温度日変化を検討した。 壁面温度は日出時から上昇し、南壁面は太陽の南中時に最高温度になるが他方向に面した壁面は、東向き壁面は午前中に、西向き壁面は午後に最高温度に達する。日出直前には気温よりも低い温度を示すケースも認められた。日中の温度上昇速度は木材壁、セラミック壁、コンクリ-ト壁の順に高いことが示された。植物被覆壁面は無被覆壁面よりも10度以上低温であった。