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ACQ処理されたカラマツ心材部における浸潤判定
〜呈色反応とSEM-EDXA法との比較〜 |
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武智 洋平
(九大農) 松永 浩史 (九大農) 松村 順司 (九大農) 小田 一幸 (九大農) |
従来、北洋カラマツを防腐処理する場合はJAS K2(木材表層から10oの心材浸潤度 20%)ランクの処理が施されており、浸潤度の測定には呈色試験が行われてきた。し かしこの試験では心材の晩材部において、呈色が不明瞭であり浸潤状態を判断できな かったが、実用上、早材部の浸潤度だけでもK2を満たす場合が殆どであった。そのた め、晩材部の浸潤状態が問題になることはなかった。しかしながら、住宅品確法が施 行されたことにより劣化軽減の項目で高い等級を得るには、K3(木材表層から10oの 心材浸潤度80%)以上の浸潤度が必要になった。このようなことから、晩材部の浸潤 状態を正確に評価する必要が生じてきた。そこで、ACQ処理された北洋カラマツ心材 を対象に、SEM-EDXA法でCuの分布を調べて呈色試験との比較を行い、晩材部の浸潤判 定に関する提案を行う。 |
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同所的に生育したスギ及びテーダマツの成長と材質
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坪村 美代子
(九大農) 高田 克彦 (九大農) 小田 一幸 (九大農) 伊藤 哲 (宮大農) |
効率的な針葉樹人工造林木の利用を図るためには、樹木の成長に伴う木材性質の変 動を把握することが重要である。本研究では、宮崎県日南市・民有林において同所的 に生育したスギおよびテーダマツを対象に、木材性質変動の樹種特性について検討し た。供試木はスギ、テーダマツそれぞれ8本ずつである。測定した形質は、年輪幅、 材密度、晩材最外部の仮道管長及び仮道管S2層のミクロフィブリル傾角(MfA)であ る。年輪幅及び材密度は軟X線デンシトメトリー法を用いて測定した。仮道管接線壁 の壁孔口の長軸と仮道管の軸とのなす角度を測定しMfAとした。これらの測定結果を 用いて、成長の良否に伴う木材諸性質の変動、並びに諸形質間の関係を検討して樹種 特性について考察する。 |
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数種木材腐朽菌の腐朽能力試験
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佐橋 憲生
(森林総研九州) 秋庭 満輝 (森林総研九州) 石原 誠 (森林総研九州) 山本 幸一 (森林総研) 桃原 郁夫 (森林総研) |
木質廃棄物を効率的に分解する木材腐朽菌を探索し、分解に適した条件等を明らかにする研究の一環として、数種の腐朽菌について培地上での生育適温を調査するとともに、スギチップ等に対する腐朽力試験を行った。供試した5種の腐朽菌は5℃(10℃)から35℃の温度で生育した。スエヒロタケ、オオウズラタケ、ヒイロタケは40℃でも生育し、特にヒイロタケは40℃で最も旺盛に生育した。菌糸伸長至適温度はスエヒロタケ、カワラタケ、ニクウスバタケで30℃、オオウズラタケで35℃であった。スギチップに対する腐朽力試験では、オオウズラタケ、カワラタケ、ヒイロタケにおいて重量減少が認められ、その減少率は接種127日後それぞれ 38.7、21.9、16.0 %であった。ベイツガ等の木材片を用いた腐朽力試験では、オオウズラタケ、カワラタケ、ヒイロタケ、ニクウスバタケで材の重量減少が認められたが、その腐朽程度は供試した木材の種類、部位によって異なった。 |
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ヒノキカワモグリガ及びキバチ類によるスギ材変色部の強度性能について
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村上 英人
(福岡県技セ) 大長光 純 (福岡県技セ) |
ヒノキカワモグリガ及びキバチ類により変色被害を受けた材について強度試験を行った。供試材は、スギ坑木用丸太として採取されたもので、この材の健全部と被害部より2cm×2cm×32cmの試験片を取り出し、JISZ2101に準じ曲げ及び圧縮試験を行い、材の利用に当たっての可否を強度の面から検討した。 |