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福岡県における環境教育の現状 〜「総合的な学習の時間」の取り組み事例より〜
渕上 悟
佐藤 宣子
堺 正紘
(九大農)
 
 文部科学省は、新しい学習指導要項の中で、小・中学校において平成14年度から、高等学校においては、平成15年度から、「総合的な学習の時間」を本格的に展開していくことを決定した。これは、情報教育・同和教育・環境教育など、横断的・総合的な課題について,自然体験や社会体験を通じて,問題解決的な学習を行うことを目的としている。しかし、現場の教員からは、課題と授業の展開、また教材選びの困難さが叫ばれている。小・中学校では総合的な学習の時間が始まり半年が過ぎたのであるが、今どのような展開を見せているのであろうか。本研究では、福岡県の小学校における環境教育の実態と現状及びその中での森林・林業教育問題の位置付けを探るために、授業の目標の設定、教材、フィールド等を類型化し、論点を探ることを目標とした。


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学校教育における自然観に関する研究−直方市と日田市との環境に対する意識の比較−
青田 勝
吉田 茂二郎
村上 拓彦
今田 盛生
(九大農)
伊東 啓太郎
(九工大)
池田 朝二
(直方市)
                       
 今年度より,公立学校において完全週5日制が導入され,子供たちの休日,特に土曜日のすごし方が問題となっている。また近年,学校教育において,環境教育が注目されている。そこで本研究では,直方市が管理する直方の森を事例として,小学生に対して森林環境教育を行うものである。その前段階として,環境教育を広い意味で捉える上で,直方市の環境教育の取り組みについて,教育委員会に聞き取り調査を行う。その上で,直方市の小学生・家族および学校関係者に対して,環境に対する意識についてのアンケート調査を行うものである。また,比較対照として,九州地方で林業が盛んな地域である日田市を挙げ,直方市と同様に,日田市の教育委員会に聞き取り調査を行い,日田市の小学生・家族および学校関係者に対してもアンケート調査を行い,直方市と日田市の環境に対する意識を比較し,明らかにする。