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市町村別統計を用いた森林管理水準の変動要因に関する研究
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林 雅秀
野田 巌 (森総研九州) |
1990年代後半以降、熊本県を含む九州地方では皆伐後の再造林が放棄される場合が目立つなど、森林管理水準の低下が指摘されており、主にケーススタディを通じてその要因も解明されてきている。本研究では、森林管理水準を扱った研究では従来あまり用いられていなかった市町村別統計を用いて、森林管理水準の変動要因を計量的に把握することを試みる。とくに、既に指摘されている因果関係の量的な把握や要因間の関連性の解明を目的としている。具体的には、熊本県を対象として、森林管理水準を示していると考えられる市町村単位のデータとその変動要因と考えられるデータとの関連性を解析する。森林管理水準を示すデータとして、間伐実施状況や保育作業実施林家数割合などを用いる。また、その変動要因については、既に指摘されている諸要因(概念)の適切な指標とみなしうる市町村別のデータを用いる。 |
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里山保全運動への地権者の対応 −福岡県小郡市花立山地区を事例に−
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山之内 豊
堺 正紘 佐藤 宣子 (九大農) |
本研究では里山保全運動のあり方を検討するために、里山保全運動にかかわる保全グループ及び市町村の動向とこれに対する地権者の対応を分析した調査対象地は福岡県小郡市花立山地区の小郡市側を選定した。同地区は小郡市、夜須町、三輪町の境界にあり、これらの市町村は福岡・久留米市のベットタウンとして都市化が進行している。同地区はほぼ全体が私有地であり、開発の恐れがあるため小郡市側の土地の約7割については市と地権者が10年間の借地契約を結び散策道等の整備などを行った。また里山保全グループについては市民団体の「花立山を楽しむ会」が存在し、年に数回の保育作業やお茶会等の行事を行うなどして保全運動と市民のネットワーク作りを展開している。同地区においては現在、里山保全運動が円滑に進行しているが、その背景には地権者の柔軟な対応があったことに注目した。 |
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管理放棄竹林の新たな管理手法について
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森山 恭供
(宮崎県林技セ) |
竹類の侵入防止の一手法として、管理に手が回らない所有者に代わり第三者への譲渡、借地等利用を通して行うことが考えられるが、この際に生じる問題点及び宮崎県内における所有者及び利用希望者等の意向を調査したので報告する。 |