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2000年世界農林業センサスにみる九州における森林管理の「担い手」問題
深川 敬文
佐藤 宣子
(九大農)
      
 従来から、森林所有者に対して、補助金の交付、低利資金の融通、税制上の特別措置等の経営支援策が講じられてきた。しかし、近年、林業の採算性の悪化、林業所得への依存度の低さ、世代交代等により森林所有者の林業経営意欲は減退してきている。そのため、手入れが十分に行き届かない森林が増加している状況にある。こうしたなか、平成13年森林法の一部が改正され、森林所有者に代わって林業経営を行うものが森林施業計画の作成主体に追加されるなど、意欲ある担い手への森林の施業や経営の集約化が進められている。そこで本研究では、2000年世界農林業センサスから、想定される森林管理の「担い手」を統計的に把握することを課題とした。


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サービス事業体の階層性と地域分布―2000年世界農林業センサスより―
伊藤 涼子
佐藤 宣子
(九大農)
 2001年世界農林業センサスでは、林業事業体調査と林業地域調査に加えて、林業サービス事業体調査が導入され、育林・素材生産サービス事業体が新たに調査対象となった。林業の採算性の悪化や森林所有者の高齢化、不在村所有者の増加などにより、森林所有者(「林業事業体」)の林業生産活動が低迷する中で、今後、サービス事業体の森林管理の担い手としての役割が期待される。本研究では、2000年世界農林業センサス・サービス事業田尾調査をもとに、九州内のサービス事業体の階層性と地域性を分析する。