214
EXCELによる木材価格の時系列分析
行武 潔
(宮大農)

樋口 幸治
(宮大農)
 時系列的な経済変量(原系列:O)は、趨勢変動(T)、循環変動(C)、季節変動(S)、偶然変動(I)により構成されており、次に示す乗法モデルで示すことが出来る。本研究は木材価格についてこれらの変動特性を、一般ユーザーも利用できるようEXCELを使って分析し、予測も行おうというものである。O=T*C*S*Iその基本的な手順を簡単に示せば、1)原系列を6項反復移動平均してTC系列を求める、2)TC系列の月別平均を求めて季節変動Sを求める、3)O=a+bt(t=1,2,3,・・・)より趨勢変動Tを求めTCを除してCを求める、4)簡単な残差のARモデルより残差を予測する、5)これの予測残差を基に原系列Oを予測する。使用したデータは木材市売り市場の1963年1月~2001年5月までのスギ正角、ヒノキ正角の製材品と丸太価格、米ツガ正角、米マツ平角の月次データである。


215
ミャンマーにおける持続可能な森林経営とモデルフォレスト
トワル キャイン カイ
(宮大農)

甲斐 重貴
(宮大農)
溝上 展也
(宮大農)
 1990年、カナダで始まった持続可能な森林経営のためのモデルフォレストプロジェクトは世界的な広がりを見せ、現在、全世界で約30のモデルフォレストが設けられている。東南アジアでは4ヵ国が設けており、ミャンマーはそのうちの一つである。ミャンマーのモデルフォレストはTOUNGOO DISTRICT内にあり、OKTWIN MODEL FORESTとPAUK KHAUNG MODEL FORESTの2つから成る。最初のものが前者で資源や土地の保全および持続的森林経営のための基準や指標の検討を、後者は2番目のもので地域社会やそこに住む人々が森林管理に参加できる仕組みの構築や人材養成を目的としている。設置以来、ミャンマー政府林業省と日本のJIFPRO(国際緑化推進センター)や国連のFAOが共同で調査分析を行ってきており、上記目的に関する基礎資料が収集されている。


216
森林資源モニタリングデータを利用した森林タイプの分類とその空間分布
前田 勇平
(九大農)

吉田 茂二郎 村上 拓彦
(九大農)
今田 盛生
(九大農)
 現在我が国では、森林資源モニタリング調査(1999年度開始)が行われている。この調査は全国の森林を対象とし、森林の状態や変化を木材生産、生物多様性などの視点から多面的に把握することをねらいとしている。ところでこのモニタリング調査は、元来、全国を対象として設計された調査であるため、地域レベルでのデータ利用に関して、その利用法がほとんど検討されていない。例えば,測定された種数や種組成は測定点毎に集計が可能であり,位置情報を加味して解析を行えば,地域全体の森林植生多様度マップなどを提示できる可能性がある。そこで本研究は,地域レベルでの森林資源モニタリングデータの活用方法を検討する観点から,九州全域を対象とし、種数,種組成から各測定点を独自の森林タイプに分類し、各種森林タイプの分布状況について提示することを目的としている。


217
画像解析システムCROCOを用いた国際森林健全度モニタリングの実用化に関する研究-異なる天候条件・カメラ機種の影響-
溝上展也
(宮大農)

Matthias Dobbertin
(宮大農)
伊東主税
(宮大農)
 発表者らは,目視で判定されている樹冠透過度を客観的に評価するための画像解析システムを開発し,国際的な森林健全度モニタリングプロジェクトへのCROCOの実用化に向けた研究に取り組んでいる。本研究の目的は異なる天候条件・カメラ機種がCROCOの推定値にあたえる影響を調べ,精度を向上させるための対策を提示することにある。資料としてトウヒ・モミ・ブナ・ナラそれぞれ約20本を対象に4種類のデジタルカメラにより撮影した画像を用いた。また,それぞれ,順光,逆光,曇天の3つの条件化で撮影した。


218
霧島国立公園内の老齢木の樹勢モニタリング(IV)?設定後6年目の結果?
吉田 茂二郎
(九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門)

溝上 展也
(宮大農)
 本研究の目的は、霧島山系に残されている貴重なアカマツ、モミ、ツガ天然林の健全度を把握することである。1996年、霧島屋久国立公園特別保護地区内に、上記の目的を達成するためにラインプロットを設定し、枝量と葉密度を基礎にした老齢樹の健全度モニタリングと精密な成長量測定を開始した。そして1999年に設定後3年目の結果を報告した。今回は、設定後6年目に当たるので、この間の健全度の変化と同期間の成長量について報告する。