311
パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の培養に関する研究
坪村 美代子
玉泉 幸一郎
(九大)
 パラゴムノキから得られる天然ゴムは石油からの合成ゴムよりも優れた性質を有し,さらに,石油資源に替わる植物由来の工業原料として注目されている。このような理由から,現在,遺伝子導入によるゴム生産性の高いパラゴムノキの作出が試みられているが,再分化系が難しく,実用的な技術に至っていない.そこで,本研究ではパラゴムノキの再分化系を確立するための前段階として,カルス,不定根,シュートの培養系について検討した.


312
トチュウの組織培養に関する研究
村吉 美智子
(日立造船)

中澤 慶久
(日立造船)
玉泉 幸一郎
(九大)
 トチュウ〔杜仲(Eucommia ulmoides Oliv.)〕の苗木繁殖は種子に依存しているが、国内の採種用母体そのものが少なく、種子は豊凶の差があり、しかも雌雄異株のため種子の安定確保が困難である。実用的な増殖法を開発する必要があるが、これまでに組織培養に関しては、胚軸由来のシュート分化から個体再生までの成果が中澤ら(1990年)によって報告されているのみである。そこで本研究はトチュウの胚軸からのカルス誘導、再分化および胚軸の振とう培養から個体再生までについて検討を行ったので、その結果について報告する。


313
ペリプロカへの外来遺伝子導入に関する研究
宮柱 明日香
(九大)

玉泉 幸一郎
(九大)
小林 昭雄
(阪大工)
福崎 英一郎
(阪大工)
中澤 慶久
(日立造船)
馬場 健史
(日立造船)
蘇 印泉
(西北農林科技大院)       
 中国の西北部に生育するペリプロカ(Periploca sepium Bunge)は、ゴム(ポリイソプレン)を有用成分として含んでおり、さらに、組織片からの再分化が容易であることから、ポリイソプレン生合成系を解明するためのモデル植物として期待されている。これまでの研究において、ペリプロカへのGFP遺伝子の導入を試み、GFPの蛍光反応から、その導入が確認できた。本研究では、さらに2種の遺伝子(GUS遺伝子、Ferritin遺伝子)を追加し、これらの遺伝子導入の成否をPCR分析、サザン分析により確認した。