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ハナガガシおよびイチイガシの生理生態的特性の比較
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笠政美
伊藤哲 作田耕太郎 高木正博 (宮大農) |
ハナガガシは宮崎県を中心に分布する常緑カシ類の一種であり、分布域が九州南東部にほぼ限定されること、また個体数が少なく、近年減少傾向にあることから、絶滅危惧?Bに指定されている。我々はこれまでの野外調査および既存植生資料の解析を通して、ハナガガシが暖温帯低地の小規模な谷地形に分布し、特に下部谷壁斜面で主に個体群が維持されていることを明らかにした。本研究では、これらの分布特性を生理生態的側面から検証するために、適潤立地および乾燥立地に植栽されたハナガガシのガス交換特性および水分生理特性を調査した。同時に、ハナガガシとしばしば共存し、かつ分布域が比較的広いとされるイチイガシについても同様の調査を行い、両者の比較からハナガガシの分布に関わる生理生態的な要因の検討を行った。 |
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乾燥ストレス下における半乾燥地樹種の通水コンダクタンスの低下について
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辻祥子
矢幡久 (九大) |
降雨量が少ない半乾燥地では、樹木生育における水分動態が極めて重要である。水の通り易さ(通水コンダクタンス)の低下は、厳しい渇水の場合に多くの樹木が衰弱、枯死する一つの重要な原因である。また、枝の枯れ下がりを引き起こす理由は、強い水ストレスによって通道組織に張力が発生しキャビテーションを起こし、水の連結切断による空洞化現象(エンボリズム)で、水の供給が停止し枯死するためと言われている。本研究では、ケニア造林樹種を用いて水の供給停止が起こる要因であるエンボリズムの現象について実験した。水を供給しながら試料枝の一部に空気圧を除々に増大させていき、乾燥状態で道管への空気の侵入が起こる状態を再現し、各空気圧下における通水コンダクタンスの低下の特徴を樹種間で比較した。これにより、半乾燥地に生育する樹木の乾燥ストレスに対する反応を明らかにし、ケニア半乾燥地に生育する樹木内の水移動の特性について考察した。 |