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複層林に関する研究(W)-間伐施業の下層木に与える影響について-
濱地秀展
佐々木重行
(福岡県技セ)  
複層林において、間伐を行った際に下層木の受ける影響について調査した。                                      @上層スギ+下層スギAスギ+ヒノキBヒノキ+ヒノキの3種類の複層林分において、間伐施業直後に下層木の樹高・胸高直径及び剥皮状況や樹幹の折れ等について調べたので報告する。上層・下層の組み合わせや作業道からの距離によって下層木の損傷度に差が見られた。


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列状間伐後の立木成長について〜列状間伐されて4年経過した樹冠のうっ閉速度と立木の成長〜
桑原康成
(佐賀林試)
 列状間伐が実施された林分においては、次回の間伐時期や伐採量を検討するために残存木の成長特性を解明する必要がある。今回、1998年に4残1伐で列状間伐が実施され4年が経過した35年生のヒノキ林において魚眼レンズを用い、樹冠のうっ閉状況と相対照度を調査すると共に、残存木の樹幹解析を行い間伐後の成長特性を調査したので、その概要を報告する。


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日田地方のスギ・ヒノキ造林地における下刈放棄の影響 ー被害発現状況と施業改善技術の検討ー
高宮 立身
(大分林試)
 日田地方のスギ・ヒノキ造林地において、下刈りが放棄された林分を対象に毎木調査と植生調査を行い、競合する植物の摘出と被害の発現状況、並びに有用広葉樹の生育実態について調べた。この調査結果に基づき、施業による改善技術の検討を行った。その結果、つる性植物であるクズの侵入・繁茂が成林を阻害する最も大きな要因として上げられた。また、アカメガシワ、ヌルデなどが各調査林に共通して出現していた。これらは先駆性樹種であり、植栽木と競合する樹種として摘出した。有用広葉樹の侵入は、ミズキやキハダ、ヤマザクラなど主として落葉広葉樹であり、シイ・カシ等の常緑樹は少なかった。日田地域は再造林地の周囲がスギ・ヒノキ林で囲まれている場合が多く、植栽による更新補助が必要である。