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クスノキ樹冠上層部個葉の光合成速度の日中低下現象
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齊藤哲
(九大農) |
演者らは照葉樹林の光合成生産の推定を試みている。林冠の葉では日中光合成速度が低下することが知られており、林分スケールの光合成量を推定する際にも光合成速度の日中低下現象を考慮する必要がある。本研究では林分光合成量推定のための基礎情報の把握を目的とし、クスノキを材料に樹冠上層部の個葉の光合成速度の日中低下現象について調べた結果を報告する。よく晴れた日の2002年7月23日は光合成有効光量子束密度が正午頃に最大となるひと山型の日変化を示したが、個葉の光合成速度は8-10時頃に最大(15.0 オmol CO2 m-2 s-1)となり以降漸減した。気孔コンダクタンスも光合成速度と同様の日変化(平均値最大は0.234 mol H2Om-2 s-1)であった。暗呼吸速度(<0)は12-14時頃にその絶対値が最大(2.87 オmol CO2m-2 s-1)となるひと山型の日変化を示した。 |
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暖温帯林を構成する木本種の光環境に対する可塑性
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高木 正博
伊藤 哲 (宮大) |
南九州地方の里山常緑二次林と海岸性林および屋久島の下部暖帯林の林分構造を成立プロセスを説明するために,高木性木本の光環境に対する可塑性を解析した。測定した項目は,陽樹冠と陰樹冠を構成する単葉の光反応光合成曲線および一次枝の分配特性である。測定の対象とした種は,センダン,ヤクシマサルスベリ,バリバリノキ,モクタチバナ,アカメガシワ,イヌビワ,イスノキ,シイ,ヒメユズリハ,アオキ,タブ,イチイガシ,ハナガガシである。これらの種の耐陰性の違いを光反応光合成曲線と一次枝の分配特性の違いによる説明を試みる。 |