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竜ヶ水北沢の斜面堆積物
高谷 精二
(南九州大学)
      
平成5年8月6日、鹿児島県一帯を襲った豪雨は、竜ヶ水一帯の国道十号線にも多大の被害を与えた。被害の原因は沢から出た土石流である。土石流を構成する石礫は直径2mをこえる巨岩を混入していた。これらの石礫は竜ヶ水北沢を構成している岩石が風化して斜面堆積物となったもので、岩石の分布と風化の状態を反映している。竜ヶ水地域の岩石は、下部から竜ヶ水安山岩、玄武岩、砂岩礫岩層、熔結凝灰岩の4つの岩種が分布している。斜面堆積物はこれらの岩石が風化して堆積したもので、このうち巨礫の大部分は安山岩と玄武岩である。巨礫の間隙をさらに細粒化した礫や粘土が埋めている。また部分的にはボラ層の堆積も見られ、1号ダムの左袖部に風化しハロイサイト化したものが分布している。対岸の桜島からの降灰層もあり、数十センチの厚さに堆積している。


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気温データによる地中5cmの地温データの補完方法の検討
清水 貴範
(森林総研九州)

石塚 成宏
(森林総研九州)
森林の地温には気温との一定の相関があり、これを補完する際には、例えば気温による1次回帰式などがしばしば用いられる。しかし、地温と気温との間には、少なくとも地中深度に応じた振幅の差と位相の差とが存在するため、ある時刻の地温は単に同時刻や以前の気温だけでなく、気温の時間変化や地温の履歴などに影響を受ける可能性が高い。そこで、熱伝導方程式の数値解算出方法からヒントを得て、気温と地温との関係を気温の時間変化を考慮した形で定式化し、2つのパラメータの当てはめに依って気温の時系列データから地温データの欠測を補完する方法を考案した。今回の発表では、その案について説明を行うとともに、その推定精度についての検討を行う。


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A study of Soil Properties and Characteristics of Shallow Landslides in Mt. Aso
P. paudel
(九大農)

K. Moriwaki
(九大農)
H. Omura
(九大農)       
The flank of Mt. Neko dake is dissected by many shallow landslides. The soil layers were differentiated each other by their distinct colors. The physical properties of each layer were examined in the laboratory and in the field too. The area was differentiated into distinct forest and grassland land use. The maximum slope angle has ranges up to 63 degree. Many shallow landslides were observed both in forest and grassland. The soil samples were taken from both forest and grassland surfaces to identify the cohesion, internal friction angle and other physical properties. The relative slope stability assessment has been studied for forest and grassland surfaces. Further the features of the shallow landslides occurred in both surfaces were also studied.Wishing your kind consideration in this regardTheme: A study of Soil Properties and Characteristics of Shallow Landslides in Mt. Aso