917
スギ小径木の耐久性試験結果
津島 俊治
河津  渉
城井 秀幸
増田 隆哉
(大分林試)
 平成12年3月に場内に設置した暴露試験及び木抗試験について、2年経過時の耐久性を検討した。動的ヤング係数の低下及びヒロディン貫入深さの増加と腐朽菌及びシロアリによる被害状況から判断するとき、湯がき、薫煙、無処理のスギ小径材は、CuAz、AAC,クレオソート塗布の処理材に比べ耐久性が劣っていた。     


918
土木用資材として利用されるスギ材の耐久性
川口エリ子
小林 龍一
(鹿児島林試)
      
 近年、間伐材の利用促進の面から、スギ材を用いた土木用木製構造物が多く設置されるようになった。しかし、木材はその性質が個々に異なる上に、使用条件や環境によっても劣化に差が生じることから、今後の設計やメンテナンスを行う上で耐久性を解明することが土木技術者の間で求められている。 そこで、鹿児島県内の既設木製構造物においてピロディンを用いた腐朽調査を行ったので、その結果を報告する。


919
数種木材腐朽菌の腐朽能力に及ぼす温度と養分添加の影響
秋庭 満輝
佐橋 憲生
石原  誠
宮崎 和弘
山本 幸一
(森林総研九州)
      
 木質廃棄物を低コストかつ環境に負荷をかけることなく分解するために,木材腐朽菌の腐朽能力を利用することが考えられる。腐朽菌の種によって生育適温等が存在する以上,腐朽能力も温度条件等に依存するものと考えられる。本報ではスギチップを木材腐朽菌3種で分解することに及ぼす温度条件と養分添加量の検討を行った。その結果,腐朽菌の腐朽能力は温度によって異なり,培地上での生育適温でもっとも高かった。また,ヒイロタケは養分(麦芽エキス培地)を添加することにより腐朽能力が高まったが,オオウズラタケとカワラタケでは養分添加量による腐朽能力の顕著な差は認められなかった。