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西表島に導入されたEucalyptus grandisの受粉と結実について
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Tambunan Parlindungan
馬場繁幸 (琉大) 森俊人 (林育セ九州) |
独立行政法人林木育種センター西表熱帯林育種技術園には多くの熱帯樹種が導入されている。同技術園のご厚意で、熱帯地域の主要造林樹種の一つであるEucalyptusgrandisの受粉様式について、調査を実施させて戴いている。調査は、平成14年4月から西表熱帯林育種技術園内の6年生のE..grandis造林地ではじめられ、現在も継続している。西表島では、5月下旬頃からE..grandisの花芽が肉眼で観察可能となった。開花は8月中旬から9月下旬であり、訪花昆虫はアリ類、ハチ類、ガやチョウ類等であったが、その中では、アリ類の訪花が最も多く、その滞在時間も長かった。人工受粉を試みると、人工他家受粉が、自家受粉や自然交配よりも高い頻度で結実した。アリ類の訪花が結実にどのような役割を果たしているのかは、まだ明らかにできていないが、西表島に導入された本樹種での受粉や結実の概要を報告する。 |
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クロマツ針葉の調位運動
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田島瑠美
(九大) |
クロマツの当年枝の針葉を観察すると、軽い睡眠運動(日中は開き、夜間は閉じる)が見られた。また,雨の日には針葉が閉じる現象が観察された。このような針葉の日中の動きに関しては、ある種の針葉樹でわずかに光の追跡を行う事が文献に記載されているが、マツ針葉の睡眠運動や雨の日の挙動については報告が見られない。一般に植物の調位運動としては、オジギソウの調位運動(睡眠運動)やマメ科植物の調位運動(光の追跡)等が知られており、これらは水分利用効率を高め乾燥条件に適応する為の機能と考えられている。そこで、これらの機能を考慮しながら、クロマツ針葉の調位運動の基本型と、そのメカニズム、また、調位運動とマツの生理機能との関係を明らかにするために実験を行った。 |