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リュウキュウマツ枯死木から分離したマツノザイセンチュウのアイソレイト間による病原力の変異
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岡村政則
中平康子 秋庭満輝 倉本哲嗣 佐々木峰子 平岡裕一郎 (林育セ九州) |
沖縄県ではリュウキュウマツのマツノザイセンチュウ(以下ザイセンチュウ)による被害が拡大している。この対策としてザイセンチュウに抵抗性を持つ苗木を供給する目的で抵抗性個体の選抜を進めている。現在,接種検定用のザイセンチュウは,抵抗性育種事業と同じ「島原個体群」を使用している。このザイセンチュウと沖縄県産のザイセンチュウの加害性を比較するために3地域,6アイソレイトのザイセンチュウを用いて抵抗性クロマツ自然受粉後代に接種試験を行った。その結果,枯損率はアイソレイトによる差が見られ,病原力は島原個体群と同程度かそれよりも低かった。 |
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マツノザイセンチュウ接種検定合格苗の抵抗性の有効期間に関する研究(U)
―6年間の結果― |
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宮原文彦
森康浩 小河誠司 (福岡森林技セ) |
クロマツ苗にマツノザイセンチュウを人工接種して生き残った苗が、その後の再度の線虫侵入に対してどの程度抵抗性を保持しているかを確認する目的で、1997年度から継続試験を行っており、これまでの6年間の結果について報告する。 初めて接種した区における被害は、接種年度間で極めて高い有意差が認められた。これまでに複数回接種した区について、2002年度における生存率の低下を接種間隔別に見ると、連年接種区の方が低下が小さく、接種間隔の広かった(3年後や6年後に再接種した)区の低下が大きいように見受けられる。 一方、連年接種区において過去6年間を通じて健全であった個体が6本認められた。これらの個体はマツノザイセンチュウ或いは水ストレスに対しての抵抗性の高い個体であると思われた。 |
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花粉親が異なる抵抗性クロマツ家系の枯損経過の比較
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倉本哲嗣
佐々木峰子 岡村政則 平岡裕一郎 柏木学 井上祐二郎 藤澤義武 (林育セ九州) |
マツノザイセンチュウ抵抗性育種を進める上で、接種試験後どのようにマツが枯れていくのかを明らかにすることは、枯損のメカニズムならびに抵抗性に関する遺伝様式を解明する上で重要である。そこで、クロマツ抵抗性採種園産田辺54家系400個体を対象として、DNAマーカーを用いて花粉親の同定を行った後、花粉親との組み合わせで表現型や枯損パターンに差があるかどうか検討した。 |