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徳之島三京地区亜熱帯林の生産構造と生産力の空間的変動性
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西 修平
(鹿大農) 米田健 水永博己 慶田祥子 |
昨年の大会では、当森林の林床植生は土壌環境とよく対応しており、一方、高木種は林床植生との一定程度の相関性を示すが、他の環境要因(地形)との関連性も持つことを報告した。本発表では、これら2階層の植生タイプの組み合わせを立地環境の指標として、生産構造と生産力の空間的変動性の解析結果を報告する。4ヘクタールの調査区を構成する400の方形区を単位として生体量と生産力の空間的変動性を評価する。それらの推定には、種さらに個体の属性を反映するように努めた。すなわち、高木全個体の樹高および幹材密度(幹材硬度で評価)を実測し、さらに636個体を対象としデンドロメータによる成長量を観測した。土壌環境と撹乱度がともに地形を通じて関連していると考えられるが、地形のみからでは空間的変動性を十分に説明できない。異なったスケールでの撹乱度と土壌環境との総合的指標となり得る植生を座標とした解析結果を発表したい。 |
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強風撹乱が熱帯雨林の純生態系生産力に及ぼす影響
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米田 健
(鹿大農) 水永博己 田代慶彦 奥田敏統 Wan Rashida |
森林の純生態系生産力(NEP)における時空的変動性を解明する視点から、強風撹乱の影響を考察する。マレーシアの発達した低地性熱帯雨林(Pasoh)で、2004年9月に強風が発生し多くの林冠木が倒壊した。その被害実態を15ヘクタールの面積で調査した。大量に発生した被災枯死木の分解により生態系から放出されるCO2 速度と、新たに誕生したギャップでの植生回復により生態系内へ固定されるCO2 速度を推定し、それらの経年変から強風撹乱がNEPの変動性に及ぼす影響を評価する。 当森林での木材の分解率は、CO2 放出率と重量減少率との間で大きく異なった。すなわち、後者はシロアリによる持ち出し効果が大きいため、その場での無機化率を表す前者より相当程度に大きい。(後者―前者)の差を無機化とどのように関連づけるかが、NEPの変動性の推定に大きく影響する。この関連性を3つのモデルで評価した解析結果を発表する。 |
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西表島マングローブ林のリターフォール
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中須賀常雄
(琉大農) 岸本 司 増野高司 |
沖縄県、西表島古見のマングローブ林の中で、オヒルギ林、ヤエヤマヒルギ林及びマヤプシキ林にリタートラップを設置して、2001年9月から2005年4月までリターフォールを測定した。今回は、これらの結果と、以前測定した西表島船浦での測定結果について比較して発表する。 |