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霧島山系のモミ・ツガ天然林施業地におけるモミ稚樹の更新状況
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近藤美由紀
(九大生資環学府) 吉田茂二郎 溝上展也 村上拓彦 |
霧島山系のモミ・ツガ天然林は、戦後の拡大造林によって面積が急減し、近年ではモミ、ツガ、アカマツ等の上層木の高齢化による樹勢の衰えや同樹種の後継 樹の不足から、健全な形で維持することが困難であると懸念されている。そうしたモミ・ツガ天然林を再生するための施業として、これまでに天然林の皆伐、択伐施業お よび人工林からの再転換施業に関する研究が行われている。本報では、次世代のモミ個体育成に対する施業の影響を明らかにすることを目的とし、施業地ごとのモミ稚樹 の更新状況の比較を行ったので報告する。 |
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霧島山系におけるモミ・ツガ天然林保全のための施業方法の検討
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小川乃生子
(九大生資環学府) 吉田茂二郎 溝上展也 村上拓彦 |
霧島山系を代表するモミ・ツガ天然林では、近年面積の縮小・分断化や母樹の樹勢の衰え、稚樹や後継樹のシカによる採食等の被害が 目立ち始め、モミ・ツガの後継樹がほとんど見られないという問題が生じている。そのため、モミ・ツガ天然林を保全するための施業 方法の確立、すなわちモミ稚樹を後継樹へと育成させる方法の確立が今後重要になると考えられる。既往の研究で、モミ稚樹の育成に はある程度の光環境が確保されていなければならないことが分かっている。しかし、施業後の光環境の変動は大きいため、その経年変 化も把握した上で適切な施業方法を決める必要があるといえる。本研究では、1988年に択伐・小面積皆伐を行って光環境を改善した天 然林内の現在の光環境とモミ稚樹の消長を明らかにした。また、2001年に広葉樹の除伐を行った箇所の光環境の推移も把握し、これら の結果から適切なモミ・ツガ天然林施業の検討を行った。 |
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霧島国立公園内の老齢木の樹勢モニタリング(V)
―設定後10年間の状況について |
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吉田茂二郎
(九大農) 柳楽郁美 溝上展也 村上拓彦 |
霧島山系の天然林の樹勢(健全度)のモニタリングを行うための基準作りと 実際の樹木の健全度・成長度合い調査を1996年度から開始した。設定時および昨年の 2005年を含めて4回の測定を行っている。今回は、モニタリング調査を開始して10年目 にあたるので、この間の1)健全度の推移、2) 直径成長量、3) 健全度と直径成長 量の関係をそれぞれ明らかにする。 |
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ヤクスギ林内における年輪年代学的研究
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牛島伸一
(九大生資環学府) 吉田茂二郎 高嶋敦史 山田英道 木村勝彦 |
屋久島の標高約800〜1600mに広く分布している針広混交天然林には、ヤクスギを優占 種とするヤクスギ天然林が存在する。このヤクスギ天然林は、江戸時代から伐採が盛ん に行われたとされる場所であり、現在は伐採されなかった樹齢数千年のスギと伐採後に 更新したスギが共存する林相をなしている。このヤクスギ天然林に関する既存の研究で は、1973〜74年にかけて設置された複数の試験地を2度(吉田・今永, 1990)ないし3度(高 嶋ら,2003)測定し林分構造と動態を明らかにした例などが存在する。しかし、樹齢数千 年の樹木が存在する林分動態の把握には、30年間の動態だけでなく更なる長期的な解析 が必要である。 そこで、今回は吉田・今永(1990)と高嶋ら(2003)で用いられた固定試験地の三つを使 用した。年輪解析を用いてスギの生立木および切株・倒木の樹齢と発生時期を明らかに し、樹齢と直径との関係について検討した。 |