208 |
台風によるヒノキ人工林の落葉
|
---|---|
竹内郁雄
(鹿大農) 永岩健一 寺岡行雄 |
台風による森林被害は,折損や根返りなど致命的なものに代表される。しかし,そこまでの被害を受けない場合でも,落葉がみられ る。鹿児島県では2004年9月上旬までに2個の大型台風が接近・上陸した。これら台風による落葉量を,鹿児島県北部の大口市にある ヒノキ人工林20,30,36,50年生の4林分で調査した。また,この中で落葉量が多かった2林分では,伐倒調査によって葉の現存量を 求め,落葉率を推定した。 落枝葉の長さは,15cm未満の小さいものが大部分を占め,20cm以上のものは極めて少なかったことから,枝が折れて落下するものは 少なく、枝葉先端部の落下が多いと考えられた。各林分での落葉量は,1.0〜0.15t/haと推定され,強風が吹いたと考えられた南向き 斜面に位置する林分で多かった。落葉量が多かった2林分での落葉率は,それぞれ7.5,4.4%と推定された。 |
209 |
GISを利用した台風による森林被害の解析 (U)
|
---|---|
小田三保
(宮崎県林技セ) 福里和朗 |
地理情報システム(GIS)の空間解析機能を利用 した台風による風倒木被害の発生傾向の解析について、 手法を変えて再度解析を行ったので、その概要につい て報告する。 |
210 |
台風通過時の強風場に関する数値シミュレーション
‐九州電力社有林鰍ノおいて‐ |
---|---|
木上真一郎
(九大生資環学府) 木下裕子 溝上展也 村上拓彦 吉田茂二郎 |
わが国の林業地域ではこれまで、毎年襲来する台風により甚大な風倒木被害を受けてきた。この被害の影響により経営が大きく悪化する林業経営体が発生してお り、風倒木被害を林業、森林保全上のリスクとして明確に認識し、対策を検討すべきであるといえる。そのため風倒木被害の予測、あるいは対応策検討のため被害要因を明 らかにしていくことは重要である。これまでにも台風被害の要因分析を行った研究はいくつかみられるが、そのほとんどは被害状況から要因分析を行ったものであり、シ ミュレーションを行うことによって台風通過時の強風場を再現した研究はほとんどみられない。そのため本研究では、台風被害が明らかな経営林を対象とし、台風被害が発 生する場合の気流性状について検討を行った。台風のシミュレーションには、数百m〜数十km程度の強風および弱風時の風環境予測を対象にしたRIAM−COMPAC Tと称する計算プログラムを用いた。 |