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スギとヒノキ苗の通水抵抗の比較
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長崎真由
(九大生資環学府) 玉泉幸一郎 |
同一の土壌環境下ではヒノキの木部圧ポテンシャルはスギよりも常に低いという現 象が観察されたことから、その原因を明らかにすることを本研究の目的とした。 同一ポットに植栽されたスギとヒノキの4年生苗を供試した。2006年8月の晴天日 に、グラニエ法により樹液流速を5分毎に測定し、プレッシャーチャンバー法により 木部圧ポテンシャルを1時間毎に測定した。木部圧ポテンシャルは、樹冠上部の葉 と、光を遮断して蒸散を止めた樹冠最下位の葉について測定した。木部圧ポテンシャ ルと樹液流速の関係から通水抵抗を求め、さらに樹冠上部と下部の木部圧ポテンシャ ル差から地下部と地上部の通水抵抗の比を求めた。これらの結果から、スギとヒノキ の木部圧ポテンシャルに違いが生じる原因を議論した。 |
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異なる光強度で生育したスギ・ヒノキの光合成および水分特性
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宗 卓哉
(九大生資環学府) 玉泉幸一郎 |
森林の多面的機能の発揮に対する期待の高まりを受け、複層林施業が注目されている。複層林施業では、施業段階により林床の光環境が著しく変化するため、下層植栽木の光環境に対する生理的反応を明らかにすることが重要である。しかし、主要造林樹種であるスギ・ヒノキにおいて、光環境の変化に対する生理的反応を測定した例は少ない。本研究では、異なる光強度下で生育したスギ・ヒノキ苗木の光合成・水分特性を比較することを目的とした。供試木には、九大構内で光強度を変えて生育させたスギ・ヒノキ2年生苗木を用いた。ビニールハウスの格子に寒冷紗を張り、相対光強度で100%, 75%, 55%, 20%, 10%の5処理を設け、2005年3月に被陰処理を開始した。2006年 8、9月に光-光合成曲線とP-V曲線を作成し、光合成・水分特性を得た。これらの結果から、光強度間、樹種間での生理特性の違いを議論する。 |