508
カシ・ナラ類枝枯細菌病に対する総合的防除法の検討(1)
石原 誠
(森林総研九州)
秋庭満輝
佐橋憲生
カシ・ナラ類枝枯細菌病に対する薬剤散布と混植栽培による被害軽減 効果について検討した。 コンテナ栽培ポット苗に対して行った薬効試験ではスプリンクラー散水 下という悪条件にも関 わらず、供試薬剤は防除効果を示した。また非宿主との混植栽培は、カ シ個体間の感染拡大を 鈍化させる傾向が認められ、薬剤散布と組み合わせることによってより 効果的な防除が可能に なると考えられた。


509
ヤシオオオサゾウムシ被害に対するカナリーヤシへの樹幹注入剤の効果
黒木逸郎
(宮崎県林技セ)
讃井孝義
岩切裕司
鈴木敏雄
岡部武治
宮崎県内ではヤシオオオサゾウムシよるカナリーヤ シの被害が発生しており、被害本数、被害域ともに拡 大している。  対策としてフェニックス頭頂部への薬剤の散布や防 虫ネット巻き付け、伐倒駆除などが行われているが、 樹体が大きいことから作業は困難を極め、処理費用も 嵩んでいる。  このため、作業が容易で安価な方法として薬剤の樹 幹注入試験を実施したので、その概要について報告す る。  


510
薬剤樹幹注入によるヤシオオオサゾウムシ幼虫への殺虫試験
臼井陽介
(鹿児島県林試)
岡部武治
(井筒屋化学産業)
2005年に非有機リン系薬剤をカナリーヤシへ樹幹注入し,2ヶ月毎に葉柄を採取し,幼虫へ摂食させたところ,4ヶ月間の殺虫効果を確認した。薬剤致死濃度及 び薬効期間を推定するため,2006年に同木を対象に樹幹注入し,1ヶ月毎に葉柄を採取し,薬剤の濃度を分析した。そして,2005年の殺虫効果をもとに,薬剤致 死濃度を推定した。推定した濃度をもとに人工飼料に薬剤を混入し,幼虫への摂食試験を実施し,致死濃度を決定した。