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シラス開析谷の崩壊と土砂移動
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西田太一
(鹿大農) 下川悦郎 寺本行芳 地頭薗 隆 |
南九州に広く分布するシラス地域では、これまで斜面崩壊や土石流による土砂災害が数多く発生してきた。1993年鹿児島豪雨災害の際には、これまでほとんど報告されていなかった、シラス斜面脚部に発達した崖錐の崩壊が発生した。崖錐崩壊は、シラス地域で多くみられる表層崩壊とは発生機構が異なり、シラス層中に浸透した雨水が基盤岩上に滞留して地下水位の上昇をもたらし、多量の湧水を発生させたことに起因していると考えられる。 現在、鹿児島市北部に位置するシラス地域を対象に、水文観測および空中写真判読等を行っている。本発表では、シラス地域における斜面崩壊の形態、規模、分布およびそれらの履歴、ならびに流出特性に関する調査結果に基づき、シラス開析谷の崩壊と土砂移動について検討する。 |
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鰐塚山別田野川流域における大規模崩壊の分布と履歴
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ハフィザ・アクター
(鹿大農) 下川悦郎 寺本行芳 地頭薗 隆 |
2005年9月の台風14号によって、宮崎市田野町鰐塚山の北側斜面に位置する別田野川流域では大規模崩壊が発生した。この崩壊による土砂量は500万立方m以上と推定されている。本発表では、別田野川流域における大規模崩壊の空間的分布とその履歴、さらに大規模崩壊の地形・地質的特徴について、現地調査および空中写真判読の結果に基づき検討する。 |
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土砂流出量から見た山地小流域の警戒避難基準雨量
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久保田哲也
(九大農) 大槻恭一 武石久佳 大村 寛 |
経費削減と環境負荷の軽減が必要とされる21世紀型社会においては、2003年水俣災害のような災害対策や交通規制の手法として警戒・避難などソフトな対策の充実が必要とされている。ここでは、山間集落の警戒・避難、林道の通行障害予測、森林保育・管理作業の中止等の観点から、渓流などにおける危険な土砂流出の発生基準雨量を、福岡演習林小流域(三郡変成岩地帯)での3年間の観測に基づく流出土砂量を用いて検討した。その結果、1)総雨量約200mm前後、日雨量約60mm前後で下流への土砂流出が発生し始めること、2)時間雨量20〜30mm/hrの雨量が降っても、総雨量が上記の値とならない限り多量の土砂流出は発生しないことなどが判明した。 |