806
大分県中西部のヒノキ人工林における表土流出量の簡易予測に関する研究
山田康裕
(大分県林試)
発表要旨:大分県中西部のヒノキ人工林において,降雨後に林地表面から流出する土 壌を定期的に測定し,土壌流出に直接影響を与える降雨因子と,林内で比較的簡易に 測定できる植被率と傾斜角の3つのパラメーターを用いた表土流出量予測モデルの検 討を行った。降雨因子として,期間降水量ΣPとともに降雨強度を加味した降水指数 PI(1連続降雨の降雨総量Pと最大1時間雨量Iの積)を各期間で積算したΣPIを用 い,土壌流出量を目的変数に,降水因子,植被率,傾斜角を説明変数として重回帰分 析を行った結果,降水指数ΣPIを用いた場合に比較的高い相関がみられ(重相関係数 0.849),表土流出量を簡易に予測する場合に有効であるものと思われた。


807
隣接する6流域での水流出について
楢ア康二
(福岡県森林研セ)
佐々木重
廣田篤彦
1983年から5カ年間にわたって田川郡添田町中元寺川流域を対象として、「水土保全機能強化総合モデル事業」により複層林造成等の森林整備が実施された。本研究では、当地域内の隣接する6流域(集水面積11.8〜41.0ha)において、1985年より長期にわたり実施した水文観測により測定した降水量と水位からその流出量を求め、降水量と豊水及び渇水流量などとの関係について検討を行った。


808
ヒノキ壮齢林小流域における水収支
高木正博
 (宮大農)
佐藤美香
宮崎大学農学部附属田野フィールド(演習林)内の0.41haの90年生ヒノキ人工林 小流域を対象に,2005年5月から2006年4月までの1年間にわたる水収支を推定 した。測定項目は林外雨量,林内雨量,樹幹流量,土壌浸透水量,樹液流量,渓 流水量であり,これらから,遮断蒸発量,蒸散量,地表面蒸発量を計算した。そ の結果,渓流水量,蒸発散量,地下浸透量はそれぞれ4割,3割,3割と推定さ れた。