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宮崎県西臼杵地域における産直住宅の取り組み
田中 洋
(宮崎県西臼杵支庁)
上野清文
兒玉了一
田ノ上裕孝
山村地域では、人工林が利用期を迎える一方、林業の採算性の低下により森林施業の停滞した「放置林」や伐採後造林されない「植栽未済地」が増加している。このような中、地域の行政や林業・木材産業の関係者で構成される西臼杵林業振興協議会では、林業・山村の活力を維持する方策として、森林所有者が伐採後の植栽と保育管理に必要な収入を確保できる仕組みを検討した結果、以下の産直住宅事業に着手した。@木材の履歴(産地、生産者、加工方法等)を管理し、個別注文住宅に対応した木材供給を行う。A原木、製品流通の合理化によるコスト 削減を図るとともに、工務店にも森林整備に要する費用の一部を負担してもらうことで、森林所有者の所得増と経営意欲の喚起を図る。B森林所有者と工務店の間で森林整備を確実に実行する旨の協定を交わす。C施主や都市住民等の山村体験、森林施業体験等を受け入れ、相互の交流を図る。  


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マツノザセンセンチュウによるリュウキュウマツ被害材の強度劣化
嘉手苅幸男
(沖縄県森林資源研)
沖縄県におけるマツノザイセンチュウによるリュウキュウマツの被害は甚 大で、平成17年度は40,914m3に達している。これらの大量に発生する被害材 を資源としての利用開発はほとんど行われていないのが現状である。このた め、松くい虫被害材の有効利用を図ることを目的として、マツノザイセン チュウの被害を受けたリュウキュウマツ材を用い、密度、機械的強度の経時 的変化とともに青変菌汚染及び板材の穿孔被害について検討した。