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帯状択伐林における路網と伐区形状の関係
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鶴崎幸 (九大生資環) 溝上展也 吉田茂二郎 |
帯状択伐施業は、皆伐による急速な環境改変の回避ができ、また伐出が容易で低コストで高効率な施業ができると考えられており、環境への配慮と採算性の維持の二者を達成する可能性がある。これまで帯状択伐林に関しては下木の成長や労働生産性を考えた伐区形状の検討が行われてきた。しかし、実際に帯状択伐林を造成するには、伐区形状だけでなく、作業地への到達性や施業の効率を考慮して路網を配置する必要がある。 そこで本研究では、帯状伐採に最適な伐区形状と路網密度を生産コストから考察することを目的とした。高性能林業機械の一つであるスイングヤーダを集材に用いることを仮定して、路網作設・伐出シミュレーションを行い、コストが最小となる点を探っていく予定である。 |
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コスト1/2を目指した誘導伐システム(帯状伐採による複層林施業)の開発
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岸川正博
(九州森林管理局森林技術セ) 下村治雄 |
本試験研究は、平成19年度の林野庁技術開発重点課題として取り組んでおり、森林の有する多面的機能を高度に発揮する複層林への誘導を推進するために、帯状三段林を設定し、かつ、伐採・搬出及び更新・保育に係る効率的で低コストな施業システムの確立を図ることとした。これまでの結果から、生産・搬出については、壊れにくい低コスト路網の導入、グラップル及びスイングヤーダ等の高性能林業機械を活用しコスト削減(架線作業と比較)を図った。更新については、植栽本数を従来より半減(1500本植栽)することにより、コストの削減を図った。また、保育コストについても、耐陰性スギを植栽することにより、下刈作業において、無下刈や坪刈を採用することとしており、コストの大幅な削減を図る。 |
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収穫木の材価を最大化する採材アルゴリズムの開発と適用
−九州スギ主伐林分を事例として− |
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中島徹 (東大農) 鹿又秀聡 松本光朗 龍原哲 |
本研究では、長級別・径級別の木材価格をもとに、材価を最大化する採材アルゴリズム(WoodMax)を熊本県におけるスギ主伐林分に適用することで、その応用可能性を実証的に検討することを目的とした。具体的には、熊本県スギ人工林の主伐予定地で計測した毎木調査データをWoodMaxに入力し、径級別丸太本数と材価を推定した。さらに、実際に搬出・販売された径級別丸太本数と材価を追跡調査してWoodMaxによる推定値と比較したところ、推定値は実測値と適合した。以上から、伐採対象林分の詳細な毎木データや市況データがあれば、林分全体としての総利用材積、総収入だけでなく、径級別の丸太本数の分布傾向もWood Maxによって推定できることを確認した。 |