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列状間伐により収穫される丸太の量および形質の推定
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豊留勝
(鹿大農) 竹内郁雄 |
列状間伐により収穫される丸太の量および形質を推定するため,鹿児島県下のスギ・ヒノキの同一林分内において強度の異なる列状間伐(2残1伐,3残1伐,4残1伐)に下層間伐を加えて本数間伐率を33%とする選木と,比較のため下層間伐のみによる選木を実施した。さらに今回は路網を開設しての列状間伐を想定しており,それに伴う支障木も収穫量として算出した。結果は列状間伐の強度が強い場合ほど収穫される丸太の量は多くなり,丸太の径級も大きくなった。また,スギ林に比べてヒノキ林において列状間伐の強度の影響は顕著に現れた。ただし列状間伐の強度によらない結果を示す林分も存在した |
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列状間伐における機械化伐出作業システムの生産性予測ソフト作成
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河野雄一 (鹿児島県 森林技術 総合セ) |
間伐作業の機械化による低コスト化及び林業労働力不足の解消は,鹿児島県の間伐推進施策における重要課題として位置付けられ,高性能林業機械の現場導入が積極的に推進されている。しかし,初期投資が高いことに加え,機械化作業の生産性及び必要経費について見積もる手法が確立されておらず,導入を躊躇する林業事業体も多い。そこで,機械化作業の事前検討を行う手軽なツールとして,平成19年度から,本県の現場条件に特化した作業システムのコスト試算が可能なパソコンソフトの開発に着手した。そのうち,初年度は,列状間伐の機械化作業システムについて,各工程ごとに作業時間及び生産性の予測が可能な『功程シミュレーター』を作成したので紹介する。また,功程シミュレーターによる予測結果と,現実伐区の実際の出材積,労働生産性等を比較し,理論功程と実務功程の乖離度合いを調査したので報告する。 |
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九州における森林・所有者情報データベース設置事業の現状と課題
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鹿又秀聡 (森林総研 九州) |
新生産システム対策推進事業の1つに、森林・所有者情報データベース設置事業がある。この事業は、小規模森林所有者を対象に伐採可能な立木資源のデータベースを整備し、新生産システムに参加する素材生産事業体等へ情報を公開することにより、林家の収益向上と木材の安定供給確保を図ることを目的としたものである。全国で14事業体(九州地方は4事業体)が森林・所有者情報データベース設置事業を行っている。今回は、これらすべての事業体に対し行った聞き取り調査の結果をもとに、九州で行われている森林・所有者情報データベース設置事業の現状を明らかにするとともに、今後の課題についてまとめたので報告する。 |