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九州における針葉樹人工林3林分および隣接する広葉樹二次林の埋土種子集団の特徴
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原田可奈水
(九大農) 作田耕太郎 |
人工林における埋土種子集団の種組成や種子量は隣接する林分の影響を受ける。人工林および隣接林分における埋土種子集団の特徴を把握することは、伐採を行った場合の林床植生の変化予測を行う上で重要である。しかし、日本の針葉樹人工林における埋土種子集団の実態を調査した例は少なく、多くの試験地で調査を行う必要がある。本研究では、大分県大分市 (県民の森)、熊本県球磨郡山江村および宮崎県宮崎市 (宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター田野フィールド)において針葉樹人工林と広葉樹二次林が隣接する林分を試験地とした。2008年3〜5月に各林分より表層土壌を採取し、九州大学構内において発芽試験を行うことから、各試験地における林分ごとの埋土種子集団の多様度と類似度について解析を行った。さらに、林分ごとの林床植生の調査から、埋土種子集団と同様に多様度と類似度を算出し比較を行った。 |
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低コスト育林を指向した帯状伐採地における伐採1年目の天然更新状況
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松永慎平 (宮大農) 山川博美 伊藤哲 下村治雄 |
戦後の一斉造林による人工林は西日本を中心に徐々に伐採可能な時期を迎えている。一方で、林業経営の悪化から人工林伐採後に再造林を放棄する例が増加しており、再造林を推進するための低コストな更新・育林技術が必要とされている。宮崎県の青井岳国有林では高密度路網と帯状伐採を組み合わせた低コストな伐採・搬出・更新・育林技術の開発研究が行われている。本研究では、その一環として広葉樹の天然更新に着目し、保残帯が天然更新に及ぼす影響を物理的および生物的要因の両面から明らかにすることを目的として調査を行った。調査は帯状伐採後1年目の針葉樹人工林伐採地において常緑広葉樹の実生の発生・定着状況と光等の物理環境を測定した。さらに伐採跡地の林縁にそれぞれ磁石を挿入したマテバシイ堅果を用いて、ノネズミによる二次散布を調査した。これらの調査の結果に基づいて、帯状伐採後の常緑広葉樹の初期更新状況について報告する。 |
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スギ・ヒノキ人工林において間伐後に発生した広葉樹稚樹と毎度趣旨組成との関係について
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桑野泰光
(福岡県森林 林業技術セ) |
近年、多様な森林育成が求められている中、手入れ不足または木材生産を期待しない森林を、公益的機能の発揮が期待できる混交林・広葉樹林へと誘導する施業技術が求められている。しかし、これらの森林へ天然更新によって誘導する技術は確立されているとは言い難く、十分な研究の蓄積もない。本研究では、スギ・ヒノキ人工林において埋土種子調査と間伐後に発生した広葉樹の稚樹について調査を行ったので報告する。 |