615 |
デイゴを加害する侵入害虫デイゴヒメコバチの発生と防除対策
|
---|---|
喜友名朝次
(沖縄県森林 資源研究セ) |
近年、沖縄県下においてデイゴの新芽や新梢に虫えいが多発生し、異常落葉や異常形態が生じ、また、時として枯死するデイゴが確認されるようになった。この虫えいはヒメコバチの一種により発生するものであり、加害種は2004年に新種として記載されたデイゴヒメコバチ(Quadrastichus erythrinae KIM)であることが判明した。本種は、世界各地で大発生してデイゴに大きな被害を与えており、その防除対策が求められているが、生態や防除に関する資料は乏しい。今回、防除対策に資するためデイゴへの樹幹注入による殺虫効果試験を行うと同時に発生消長調査を実施した。発表では、デイゴヒメコバチに対する樹幹注入の殺虫効果と発生消長ならびに被害状況について報告する。 |
616 |
ヤシオオオサゾウムシの被害と樹幹注入による防除効果
|
---|---|
齊藤真由美
(宮崎県 林業技術セ) 讃井孝義 鈴木敏雄 岡部武治 |
宮崎県でヤシオオオサゾウムシによるフェニックスの被害が多発している。対策として薬剤散布や伐倒駆除が行われているが、樹体が大きく作業が困難である。そこで、簡易で環境に及ぼす影響の小さい方法として、殺虫剤の樹幹注入による防除試験を行った。樹幹注入後、一定期間毎に被害状況を調査した結果、被害率は未注入の対照区で8割、樹幹注入区で2割となった。樹幹注入区では、一定の注入量以上で被害は発生しなかったが、少量区では薬効が切れたと考えられる時期以降に急激に被害が発生した。また、一定期間毎に注入木と対象木の葉を採取し、ヤシオオオサゾウムシの幼虫に摂食させ死亡状況と摂食した孔道の長さを調査した結果、注入量にもよるが3〜7ヶ月の効果があることが明らかになった。 |
617 |
樹幹注入剤を用いたヤシオオオサゾウムシによるカナリーヤシ枯損被害の効果的防除法
|
---|---|
吉本貴久雄
(長崎県総合農林試) |
ヤシオオサゾウムシによるカナリーヤシ枯損被害の防除剤として、樹幹注入剤が登録されている。この樹幹注入剤の効果的施用方法について調査したので、概要を報告する。 |