707
ヒノキ発芽種子の子葉からの胚様体誘導と個体再生
隈達也
(九大院生資)
玉泉幸一郎
 ヒノキは、日本の主要造林樹種であるが、花粉症の問題から花粉生産の抑制されたヒノキの作出が求められている。花粉生産抑制法の一つとして、遺伝子組換えによる方法がある。ヒノキについてはすでに未熟種子の胚を用いた遺伝子組換えが報告されており、花粉生産抑制ヒノキの作出が期待されている。しかしこの方法では、外植体の採取期間が未熟種子としての期間のみに限定されるという欠点を持つ。そこで外植体の採取時期に左右されない方法として、発芽種子の子葉を用いた方法を検討した。本研究では、ヒノキ発芽種子の子葉からの胚様体誘導の方法と、胚様体からの植物体再生について報告する。


708
REFプロモーターによるGFP遺伝子のペリプロカ乳管における発現
高橋晃司
(九大農)
陳任
玉泉幸一郎
 REFプロモーター(REFpro)は乳管特異的なプロモーターとされており、シロイヌナズナの維管束でGUS遺伝子を発現させることが報告されている。長井ら(九州森林研究,2007)は、乳管をもつモデル植物であるペリプロカを用いて、REFproの機能評価を行った。その結果、GUS活性は乳管部位と髄付近にみられたが、乳管特異的であることは確認されなかった。本研究では、REFproとGFP遺伝子を結合させた遺伝子を導入したペリプロカを用いて、Real time-PCRでREFproが機能していることを確認するとともに、共焦点顕微鏡による組織観察によりREFproの発現部位の確認を行った。