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複雑地形地の森林で算出されるCO2フラックスと座標変換法との関係について
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清水貴範 (森林総研九州) 玉井幸治 清水晃 |
地形や植生が一様では無い森林樹冠上で、乱流変動法を用いて熱・水蒸気・CO2などの交換量を測定する場合、3次元風速の座標変換を行った後にこれらのフラックスを算出するのが一般的である。この座標変換の効果は、運動量フラックス(τ)のデータに端的に現れ、平坦一様な地表面で測定した場合と同様に、τの輸送方向が変換後の鉛直座標下向きに算出されるケースが増加すると考えられる。そこで本研究では、熊本県山鹿市鹿北町の複雑地形地の森林で測定したデータに対して、既存の様々な座標変換方法を試行し、輸送方向が変化したτデータの割合について、比較情報を提示する。また、特にCO2フラックスについては、座標変換法による算出量の変化と、それによって生じるCO2交換量の推定誤差について検討する予定である。 |
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中生代堆積岩山地小流域おける2つの方法による深部地下水浸透量の推定
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高木正博
(宮大農) |
流域面積0.4 haの90年生ヒノキ林が成立している四万十層群頁岩小流域において,水収支(平成18年度支部会口頭発表)および塩化物イオンの物質収支(小田ら2008)の2つの方法により,深部地下水浸透量を算出し比較した。その結果,深部地下水浸透量は降水量の,水収支法では30%,物質収支法では23%と算出された。 |
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山地斜面における地震時の崩壊土砂移動量の推定手法の検討
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浅野志穂
(森林総研九州) |
福岡県西方沖地震など、大規模な地震に伴う山地斜面の崩壊が各地で問題となっている。ここでは実験によって計測した地震時の崩壊土砂移動について、斜面の残留変位の推定手法の適用性について検討した。その結果、斜面の内部構造の変化や粒子破壊など急激な強度低下を伴わない場合の斜面崩壊については残留変位の推定手法である程度推定は可能であるが、斜面の変形から剪断破壊に至って崩壊が始まるまでの時間などについては、別の要因を検討する必要があることが考えられた。 |