防災・立地・緑地

814	球磨村一勝地の再造林放棄地における侵食と土砂流出
靍田浩太（鹿大農）寺本行芳海野浩行下川悦郎	近年，林業の採算性悪化，山村の過疎や高齢化の影響，後継者不足，木材価格の低迷などから，人工林を皆伐した後，再造林を行わずに放置される再造林放棄地が増加している。熊本県南部に位置する球磨村一勝地では2002年に89haもの大面積が皆伐され，その後，再造林放棄がなされた。皆伐地では，作業路面のリル侵食，切取法面の侵食および崩壊，谷側盛土法面の崩壊によって多量の土砂が生産され，下流に流出した。皆伐後の生産土砂量は，皆伐前のそれと比較すると10倍以上大きい。皆伐から6年以上経過した現在，水文・侵食環境は回復過程に向かいつつあると考えられるが，場所によっては侵食および土砂流出は引き続いている。現在，一勝地の再造林放棄地における侵食と土砂流出の現況を把握するため現地調査を行っている。本発表では得られた結果を報告する。

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球磨村一勝地の再造林放棄地における侵食と土砂流出

靍田浩太
（鹿大農）
寺本行芳
海野浩行
下川悦郎

　近年，林業の採算性悪化，山村の過疎や高齢化の影響，後継者不足，木材価格の低迷などから，人工林を皆伐した後，再造林を行わずに放置される再造林放棄地が増加している。熊本県南部に位置する球磨村一勝地では2002年に89haもの大面積が皆伐され，その後，再造林放棄がなされた。皆伐地では，作業路面のリル侵食，切取法面の侵食および崩壊，谷側盛土法面の崩壊によって多量の土砂が生産され，下流に流出した。皆伐後の生産土砂量は，皆伐前のそれと比較すると10倍以上大きい。皆伐から6年以上経過した現在，水文・侵食環境は回復過程に向かいつつあると考えられるが，場所によっては侵食および土砂流出は引き続いている。現在，一勝地の再造林放棄地における侵食と土砂流出の現況を把握するため現地調査を行っている。本発表では得られた結果を報告する。

815	九州における台風襲来確率の地域的特徴
茅島信行（福岡県森林林業技術セ）	近年木材価格の低迷などから伐期が延長される長伐期林分や、手入れの遅れた過密林分、また過密林分における高い間伐率での間伐が増加しており、風害発生リスクの高まりが危惧される。一方、九州は台風の常襲地帯であり、風害のほとんどが台風に起因するものであるため、九州に襲来した過去の台風の進路や強さの地域的特徴を把握することは、風害のリスクを考慮した森林施業を行う上で重要であると考えられる。そこで本研究では台風のベストトラック（最終解析結果）を用いて過去の台風の進路や強さに基づいた襲来確率の地域的特徴を調査したので報告する。

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九州における台風襲来確率の地域的特徴

茅島信行
（福岡県森林
林業技術セ）

　近年木材価格の低迷などから伐期が延長される長伐期林分や、手入れの遅れた過密林分、また過密林分における高い間伐率での間伐が増加しており、風害発生リスクの高まりが危惧される。一方、九州は台風の常襲地帯であり、風害のほとんどが台風に起因するものであるため、九州に襲来した過去の台風の進路や強さの地域的特徴を把握することは、風害のリスクを考慮した森林施業を行う上で重要であると考えられる。そこで本研究では台風のベストトラック（最終解析結果）を用いて過去の台風の進路や強さに基づいた襲来確率の地域的特徴を調査したので報告する。

816	林床可燃物の乾燥過程の特性　－熊本市立田山実験林の場合－
玉井幸治 (森林総研つくば) 後藤義明	筆者らは、一般に広く開放されている森林域における人の動線管理を目的として、林床可燃物の含水率予測モデルを開発し、それに基づいた林野火災発生危険度を日単位、林分単位での評価システムの運用を、岡山市竜ノ口山グリ－ンシャワ－公園で試験的に行なった。本研究はこのシステムを、熊本市立田山フォレストミュ－ジアムの一角をなす立田山実験林で運用する場合の、可燃物の乾燥過程の特性を林分ごとに明らかにするものである。

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林床可燃物の乾燥過程の特性　－熊本市立田山実験林の場合－

玉井幸治
(森林総研つくば)
後藤義明

　筆者らは、一般に広く開放されている森林域における人の動線管理を目的として、林床可燃物の含水率予測モデルを開発し、それに基づいた林野火災発生危険度を日単位、林分単位での評価システムの運用を、岡山市竜ノ口山グリ－ンシャワ－公園で試験的に行なった。本研究はこのシステムを、熊本市立田山フォレストミュ－ジアムの一角をなす立田山実験林で運用する場合の、可燃物の乾燥過程の特性を林分ごとに明らかにするものである。