906
ツバキの樹形解析とツバキ林のモデル化
久林高市
(長崎県
総合農林試)
前田一
副山浩幸
松尾哲也
濱日出紀
前田学
 ツバキ油生産量の増加のため、ツバキ実生産性の高いツバキ林への誘導目標林型を明らかにする目的で、ツバキの樹形(樹高、樹冠幅、枝下高)を解析した。その結果にもとづき、ツバキの樹高と立木密度との関係モデルを試作した。


907
マングローブの抗菌活性(U)
金城一彦
(琉大農)
横正紫
池田実沙季
上地俊徳
 沖縄に分布するマングローブ6樹種の葉,幹,樹皮メタノール抽出物の褐色腐朽菌オオウズラタケ,白色腐朽菌オオウズラタケに対する抗菌活性について検討した。オオウズラタケに対してシマシラキ幹,カワラタケに対してメヒルギ樹皮,シマシラキ樹皮,オヒルギ幹,シマシラキ幹,シマシラキ葉,サキシマスオウ葉メタノール抽出物で活性が見られた。各抽出物はオオウズラタケよりカワラタケに対する活性が高かった。ここでは,比較的活性の高いオヒルギ幹メタノール抽出物の阻害活性成分について検討した。活性はメタノール抽出物から酢酸エチル可溶部に移行した。酢酸エチル可溶部をシリカゲルを用い,溶離溶媒にヘキサン、酢酸エチルでカラムクロマトグラフィー(CC)を行い11フラクションに分画した。活性の見られたフラクションをさらにCCを行い分画し,阻害成分を検討している。


908
ヒイロタケ(Pycnoporus coccineus)の特性調査と剪定枝腐朽試験
石川景子
(福岡県森林
林業技術セ)
金子周平
兼子明
荒木雅登
水海吉太郎
田中研実
近藤隆一郎
 ヒイロタケ(Pycnoporus coccineus)は白色腐朽菌で木材中の難分解性物質であるリグニンを分解する。これまでに、このヒイロタケを用いて処理に苦慮している剪定枝を早期分解、土壌還元することを目的に、高リグニン分解能力をもつヒイロタケの選抜と白色腐朽菌製剤の開発を行ってきた。今回は、選抜されたヒイロタケについて、その特性調査と白色腐朽菌製剤を用いた剪定枝チップの腐朽試験を行った。特性調査において、選抜されたヒイロタケは、含水率が低い培地でも菌糸伸長が旺盛なこと、pH4〜8という比較的広い範囲の培地に適応できることが分かった。また、腐朽試験において、剪定枝チップのサイズが腐朽の進行に与える影響を調べたところ、小スケールの試験ではサイズの小さい方が腐朽の進行が大きかったが、スケールアップした試験ではサイズによる腐朽の差は認められなかった。