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中分解能衛星データにおける常緑、落葉広葉樹林の分類
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齋藤英樹 (森林総研九州), 鹿又秀聡, 山田茂樹 |
広葉樹林の中で常緑林と落葉林の分布について示されている地図は、環境省植生図のみであるが、空中写真を用いて作成されていることから作成年度がばらついているという問題点がある。本研究では、衛星データを用いることにより、常緑林と落葉林の分類を試み、その結果得られるスペクトルクラスと環境省植生図から得られるインフォマティブクラスの相違点を検討し、衛星データから広葉樹林の常緑、落葉を分類する際の問題点を明らかにした。 |
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コミュニティ林業の現状と課題
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久保咲希子
(九大生資環), 溝上展也, 加治佐 剛, 吉田茂二郎 |
熱帯林の減少・劣化は地球規模の環境問題として重要視されている。1990年代以降、熱帯林の保全と地域住民の貧困削減を目的として、地域住民が主体のボトムアップ型森林管理・利用の仕組みである「コミュニティ林業」が多くの熱帯諸国で広く導入されるようになった。森林保全に対する効果が明らかになる一方で、地域住民の生計向上に対しては疑問視する声も多く、適切なモニタリング・評価を行い、コミュニティ林業の可能性や課題を科学的に明らかにすることが求められている。そこで、本研究では、第一段階として、熱帯諸国のコミュニティ林業の現状と課題を整理することを目的として文献のレビューを行う。その結果とカンボジアにおける事例について報告する予定である。 |
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Classifying tropical deciduous ecosystem: A comparison of rule-based classification and maximum likelihood classification approaches
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Naing Zaw Htun (Kyushu Univ.), Nobuya Mizoue, Shigejiro Yoshida |
Rule-based classification has been reported as a better strategy over unsupervised or supervised maximum likelihood classification (MLC) for image classification. However, the application of rule-based classification in the tropical forest is still scarce. In this study, we compared rule-based and MLC approaches in classifying vegetation types of the tropical deciduous ecosystem of Popa Mountain Park, Myanmar. We used two Landsat Thematic Mapper (TM) acquired on wet and dry seasons of the same year. The data were TM bands from two dates, Normalized Difference Vegetation Index (NDVI) from two dates, difference in NDVI form one date to another, mean NDVI of two dates and elevation data stemmed from digital elevation model. We used two approaches for classifications. Single-step approach which classified all vegetation types in classification process, and two-step approach which identified forest from non-forest types first, and then classified forest into detail classes. We extended the classifications by including elevation as the ancillary data. We found that two-step approaches produced better overall accuracies and kappa statistics. Our results also showed the overall accuracies and kappa statistics markedly increased when elevation was included in the classifications. The study revealed that rule-based approaches were superior to MLC approaches, and rule-based two-step with elevation approach produced the best overall accuracy and kappa statistics. |
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森林資源モニタリング調査データの有効利用と品質保証
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北原文章 (九大生資環), 溝上展也, 吉田茂二郎 |
森林資源モニタリング調査はわが国の全森林を対象に、森林の状態や変化を木材生産・生物多様性などの視点から多面的に把握することを目的とし、1999年から行われている。この調査は5年を1期とし、2009年度からは第3期目の調査が行われている。また、第3期調査からは調査マニュアルの改訂や、全国的な測定精度の検証といった調査データの品質保証体制が整備され始めた。この調査からモントリオールプロセスで定義された基準・指標の評価や、地域森林計画へのデータの利用が期待されているが、モニタリング事業において全国集計の信頼性や地域森林計画へのデータ利用方法は未だ明示されていない。そこで本研究では、調査データがどのような信頼性を持っているかを明らかにすることを目的とし、調査データの有効利用方法を検討する。 |
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高分解能リモートセンシングデータを用いた森林情報取得の可能性
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太田徹志
(九大生資環), 溝上展也, 吉田茂二郎 |
発表要旨森林管理を行う上で、森林情報の取得は重要な要素であり、リモートセンシングは森林情報取得のための有効な手段として期待されている。従来、森林のリモートセンシングには空間分解能が数10mの中分解能衛星データが主流であった。しかし、近年では空間分解能が1m以下の高分解能衛星データやデジタル空中写真などが登場している。中分解能衛星データでは、1つのピクセルの中に複数の樹冠が含まれるのに対して、空間分解能が高いデータでは、1つの樹冠を複数のピクセルで表現する。この違いにより、空間分解能が高いデータでは、従来の中分解能衛星データとは異なる解析が必要となる。しかし、空間分解が高いデータに対する解析について、国内での報告事例は乏しい。まずは、どの様な方法が存在するか、把握する必要が有る。本研究では、空間分解能が高いデータに対する解析方法について、国内外の文献を整理し、報告する。 |
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森林資源モニタリング調査データと中分解能衛星データによる森林分布の把握−福岡県を対象に−
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加治佐 剛 (九大農), 溝上展也, 北原文章, 吉田茂二郎 |
1999年度より全国森林資源モニタリング調査が行われている。この調査は全国レベルでの集計を目的としているが、県レベルや地域レベルでの利用も可能だと考えられる。また、森林資源モニタリング調査は調査プロットをシステマティックに配置しているため、衛星データ解析の地上データとしても利用可能である。そこで、本研究では、福岡県を対象に森林資源モニタリング調査データと中分解能衛星データを用いて、森林分布を把握することを目的とした。本報告では、森林資源モニタリング調査データと中分解能衛星データの地域利用について議論したい。 |