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冬期の気象条件が春期のシイタケ子実体発生に与える影響について
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石井秀之(
大分きのこG) |
温暖化現象の進行に伴い、近年の冬期の気象条件が大きく変動している。このため、シイタケ原木栽培における春期の発生に影響がみられる。今回、1年次ほだ木からの子実体発生量について、1月、2月の気温および降水量が春期(3〜4月)の発生量に与える影響について重回帰分析による検討を行った。この結果、気象条件と子実体発生をある程度関連づけられることが明らかとなったので報告する。 |
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原木シイタケの発生時における発生操作と増収効果(U)
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増田一弘
(宮崎林技セ),笹山儀継, 谷口和利 |
前報で、原木シイタケの単位増収を図るため、古ほだ木(3年ほだ木)を対象にシイタケ発生時の簡易操作方法の検討を行った結果、ほだ叩き(鉈目)及びヒモカッター操作が効果的てあった旨報告したところである。そこで今回、この結果をもとに実際に県内の各生産現場で実証試験を行い、その効果についての検証を行った。また、新たに古ほだ木以外に、新ほだ木(ほだ起こし木)に対しての発生操作の効果についての検討も行ったので併せて報告する。 |
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大径クヌギの活用T −原木の刻み処理とチップによるビン栽培−
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谷崎ゆふ
(福岡森技セ),金子周平, 上田景子 |
利用が進まない大径クヌギを活用するため、原木シイタケ栽培の省力化及びびん栽培のクヌギチップ利用を検討した。原木栽培における早期ほだ化を目的とした刻み処理は、接種方法の違いによって重量減少に差がみられた。また、クロアワビタケを用いたびん栽培試験では、クヌギ培地はブナ培地より収量が低くなったが、クヌギ培地にスギおが粉・コーンコブ・コットンハルを加えたクヌギ・スギ培地はブナ・スギ培地より収量が増加し、ブナおが粉の代替となりうることが示唆された。 |
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アベマキを使ったシイタケ原木栽培(W) −アベマキと形成駒でのシイタケ発生特性−
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田嶋幸一
(長崎県農林技術開発セ), 副山浩幸, 久林高市, 堀口竜男, 山口健司, 銭坪司剛 |
長崎県では、アベマキ原木と形成駒を使ったシイタケ栽培試験に取り組んできたが、5年目が終了し、ほだ木1世代当たりの生産結果がわかった。従来、アベマキでのシイタケ発生量は、コナラに比べて20%程度少ないと言われていたが、形成駒の使用により発生量が増加するとともに発生傾向が明らかとなったので報告する。 |
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製材品用含水率計を用いたシイタケ原木の含水率測定
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遠山昌之
(熊本県林研指),池田元吉, 横尾謙一郎 |
シイタケの原木栽培において、シイタケ菌の蔓延に最適な原木の含水率は32〜35%(湿量基準)とされており、伐採後の原木がシイタケ菌の接種に適した含水率となるよう、葉枯らし等の作業が行われている。しかし、この葉枯らし作業における原木の含水率管理は、もっぱら経験に頼った作業が行われている。一方、製材品の分野では、乾燥材に対する需要の高まりから、製材品の含水率を比較的簡易かつ高精度で測定可能な含水率計が開発されている。そこで、製材品用の高周波式と電気式の含水率計を用いて、数種の条件でシイタケ原木の含水率を測定し、全乾法により測定した含水率と比較した。その結果、樹皮側からの測定には限界があったが、木口面で測定した場合、ある程度の相関関係が認められた。また、木口面での測定では、電気式より高周波式含水率計の測定精度の方が高かった。 |
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菌床栽培におけるシイタケ発生量の原木樹種間差
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川本啓史郎
(長崎県農林技術開発セ), 田嶋幸一, 久林高市 |
長崎県における菌床シイタケの生産量は、平成20年は2,341t(全国5位)であり年々増加している。生産者は菌床に用いる原木の多くを中国四国地方などから購入しているが、菌床シイタケの生産量が増加していること、原木の生産地が限られていること、運送費がかかり生産原価が高くなることなどから、生産者は将来の原木調達について不安を感じている。そこで、地域の森林資源を菌床用原木として活用することを目的として試験を行ったのでその結果を報告する。 |