105 |
中国のASEANゴム投資と輸出入の展開 −統計分析を中心に−
|
---|---|
馬 虹蘊 (九大生資環), 百村帝彦, 佐藤宣子 |
現在、中国は世界最大の天然ゴム消費国と輸入国となっている。天然ゴムの需要量が急増しているが、中国国内ではゴムの成長が気候等の地理的条件に制限されて、需給ギャップが拡大しており、世界のゴム市場にも大きな影響に与えている。また、中国政府は「走出去」とよばれる海外投資促進戦略を1998年に打ち出しており、特に近隣国であるASEANへのゴム植林やゴム加工工場の設立に対して投資を拡大している。更に、2010年1月に中国とASEANがFTAを正式に締結したことにより、ゴムの輸出入量が急増している。今回の発表では、貿易統計を基に、中国のASEANへのゴム投資と輸出入の展開を検討する。 |
106 |
島嶼亜熱帯森林の計画的管理と利用技術の体系化 −黎明期の東西の先駆者考: v. Carlowitzと蔡温−
|
---|---|
芝 正己
(琉大農), Azita Ahmad Zawawi, Noor Janatun Naim Jemali |
琉球国の時代から長きに渡り林業を担ってきたヤンバルは、本島全域の水源として、また貴重な動植物の生息地域として重要な森林地帯である。しか し、住民の生活・林業・観光産業と自然環境の保全が凌ぎを削っている様は日本の他の地域と同様であるが、1)亜熱帯特有の複雑な森林構造、2)常 習的な気象災害と森林造成の不確実性、3)人為的インパクトに脆弱な森林生態系、4)森・海域の空間的連環性、5)振興開発行政下の森林管理等の 特異性を持つ。それ故、このような亜熱帯の森林に対し標準化された温帯地域の森林管理や利用技術をそのまま用いようとしても無理が生じることは明 らかである。本研究は、18世紀のヨーロッパと琉球という全く異なった地理・文化圏にあって、森林管理の黎明期を演出した二人の先駆者「v. Carlowitz」と「蔡温」の思想を通して、今日的な管理・技術面の課題と問題解決への手掛かりを求めようとするものである。 |