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スギ人工林の列状間伐跡地に植栽されたヤマザクラ幼齢木の成長
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甲斐重貴 (宮大農), 藤村和範 |
1960年植栽のスギ人工林(9.38ha)内の列状間伐跡地に植栽されたヤマザクラ幼齢木の成長について調査した。列状間伐(2列4残)は2007年(48年生時)、ヤマザクラの植栽は2008年に実施された。植栽列数及び斜面の位置を考慮して列状間伐跡地を区分して設定した20個の調査区について生存率を、8個の調査区について、幼齢木の位置、直径、樹高、枝張りを調査した。調査は、2010年11月〜2011年2月に行った。調査区毎の生存率は75〜96%(平均90%)で高く、斜面下部の調査区の方が高い傾向が認められた。一方、調査区毎の成長は、胸高直径平均値が12.7〜17.3 mm、樹高平均値が217.9〜266.6 cm、枝張り平均値が112.3〜141.9 cmで、既往の同齢ヤマザクラ人工林の調査結果に比べて高い値を示し、列状間伐跡地へのヤマザクラの導入による針広混交林への誘導の可能性がうかがわれた。 |
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沖縄島やんばる地域におけるイジュ若齢人工林の構造
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高嶋敦史
(琉大農) |
イジュは,やんばる地域に自生する広葉樹の中で比較的通直な大径材が得られることから,現在の沖縄県において主要な造林樹種となっている。なかでも,沖縄県最大の林業地帯である国頭村では,このイジュの造林補助事業が1981年度から始められており,20〜30年生の人工林が多くなってきている。しかしながら,植栽後のイジュ人工林の構造に関する記録は蓄積されておらず,今後の林業経営に必要な情報も不十分である。そこで本研究では,定期的に保育が実施された26年生イジュ人工林と,造林後十分な保育が実施されなかった31年生イジュ人工林を調査し,その構造の把握に努めた。その結果,両調査区では胸高直径20cmに達する優勢木が極めて稀に出現するものの,大半の幹は同6〜14cm程度に留まっていた。このことから,イジュ人工林の収穫は,現在定められている標準伐期齢(30年)では困難であることが示唆された。 |
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帯状伐採を行った放置モウソウチク林の6年間の再生状況
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浦 めぐみ
(鹿大農), 寺岡行雄 |
本研究は、持続的な竹材生産を図るために、伐採後の放置竹林の再生サイクルを明らかにすることを目的とした。鹿児島県さつま町において放置竹林に伐採幅が3季節(7月、9月、3月)と伐採幅が3段階(5m、10m、20m)を組み合わせた帯状伐採地計8ヶ所を対象地として設定した。伐採後6年間に発生したタケノコの本数、稈のサイズを計測し、帯状伐採の設定の違いによる再生への影響について検討した。 |