317
Structural complexity as an indicator related to disturbances
−Case of Berau mangrove forest, East Kalimantan, Indonesia−
Noor JanatunNaim Jemali
(琉大農),
Masami Shiba,
Fred de Boer,
Audrie Siahainenia
Rhizophora’s prop roots not only provide anchorage to the tree, but can also serve as an indicator for mangrove disturbances. In this study, mangrove roots structure and tree characteristics were studied to investigate which variables are related to disturbance factor. The influence of the distance to natural disturbances (open water) and anthropogenic disturbances (e.g. villages) on the changes in trees characteristics and roots structure were measured. A significant increase in tree height and a decrease in tree density were found when mangroves were further located from natural disturbance. In addition, the roots branching order was correlated with the distance to natural disturbances, whilst root diameter increased in relation to the distance to anthropogenic disturbances. The result of this study reveals the potential use of tree and root complexity as an indicator related to disturbance factors in the mangrove forest.

318
マレーシアにおけるSMS択伐施業法が残存する林冠木に与える影響
原田晃太郎
(鹿大農),
米田 健,
Wan Rashida Kadir
マレーシアで現在採用されている択伐施業法(SMS:Sustainable Management System)が森林再生に与える影響評価を研究目的とする。本発表では,伐り残された林冠木(胸高直径30 cm以上)への影響評価に焦点を当てる。半島部マレーシアのPasoh地区で2006年に伐採された林分を対象とし, 2010年に60m×480mの面積内で枯死木の状態と生存木の健全度を観測した。健全度は樹形で評価した。観測した枯死木は,伐採時かそれ以降に発生したと仮定し,30m×30mの単位(区画)でもとめた5年間の平均死亡率は伐採率と有意に正の相関を示した。また伐採路を含んだ区画ほど死亡率が高い傾向を示した。個体単位の分布状態をL関数で評価した場合,生存する林冠木および枝で不健全と判定した個体は,いずれも集中分布した。これらの結果に基づき,現在の伐採施業が残存させた林冠木に与える影響について考察する。

319
低地熱帯雨林における択伐施業跡地の林分構造について
上田美佳子
(鹿大農),
米田 健,
奥田俊統,
Wan Rashid Kadir
熱帯雨林での択伐施業が林分構造に与える影響を評価することを研究目的とする。マーシアでは,択伐後の林分をフタバガキ優占林へ誘導することを目的としたMalayan Uniform System(MUS)が50年代に導入されたが,伐採後の管理ができずに放置された林分が多く存在する。本研究では,半島部マレーシアのPasoh地区において約60年前に伐採され,その後放置された林分を対象とする。2011年2月の予備調査と干渉型合成開口レーダー(ifsar)試料に基づく解析では,地形の凹凸が再生状況に大きく影響していた。これらの内容を,2011年8月に幅20m×長さ2km のベルトトランセクト調査で検証する。近年,マレーシアではMUSからより保全的なSustainable Management System(SMS)方式が導入された。隣接するSMS択伐跡地との比較により,伐採施業の違いについても考察を加えたい。

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沖縄県北部広葉樹林の育成天然林施業後の林分動態について(W)
−除・間伐率が異なる林分の立木個々の動態について−
生沢 均
(沖縄県森研),
新垣拓也,
古堅 公,
比嘉幹彦
前報で、イタジイを主体とする広葉樹林への育成天然林施業後の林分構造や採材可能量について調査を実施し、イタジイは保全しても採材可能な立木量が極めて少ないことが明らかになった。このため、本県の広葉樹林への育成天然林施業にあたっては、さらなる森林の経済価値の向上に向けての技術改善が重要となっている。そこで、今回施業改善の手法を明らかにする目的で、広葉樹の除・間伐率の異なる林分の残存木・更新樹について、林分の立木個々の動態を調査した。