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鹿児島県におけるスギ精英樹人工交配試験について
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宮里 学
(鹿児島県 森林技セ) |
鹿児島県におけるスギ精英樹の人工交配試験は,気候風土に適した新品種の創出,諸特性の遺伝様式の解明,人工交配技術の改善・向上を目的に昭和48年から開始し,交配苗の特性を調査するために山地植栽試験林を設置した。これらの試験林については,これまで成長量を調査してきたが,林齢が25年を超え,成長及び材質等の優劣がある程度判断できる状況になったことから,次世代品種となるスギ精英樹第二世代の選抜を検討する段階となった。今回はこれまでの調査結果を基に,交配親の家系ごとの成長特性の相関と,スギ精英樹第二世代候補木の選抜について,分析を行った。 |
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精英樹人工交配苗を用いたスギ品種改良試験地からの優良個体の選抜について(U)
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古澤英生
(宮崎県林技セ) |
本県では、昭和30年代からの拡大造林により植栽されたスギが伐期を迎えており、今後、再造林を進めるに当たっては、成長や材質等に優れ、市場価値の高いスギ品種の特定及び開発が求められている。そこで今回、本県において「スギの品種改良試験」として、精英樹同士(一部、精英樹と在来品種)による人工交配苗により造成された3試験地について、樹高、胸高直径等の成長形質、立木伝播速度等の材質形質を調査し、スギ優良個体の選抜の可能性について試みたので報告する。 |
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佐賀県産スギ精英樹F1クローンの強度による選抜の検討
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真崎修一
(佐賀県林試) |
佐賀県では、昭和40年代から、新しいスギ優良系統の創出を目的として、スギ精英樹を交配して得たF1による試験林の設定・調査を行っている。これまでに、F1試験林における20年生時の生育調査の結果、現在のスギ精英樹に比べて成長特性の優れたF1が存在することがわかっている。今回、成長だけでなく強度も優れたF1の選抜の可能性を検討するため、FAKOPPを用いた調査によりF1の強度(ヤング率)を推定したので報告する。 |
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ヒノキ次代検定林における空間自己相関を用いた立地修正法の適用可能性の検討
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武津英太郎
(森林総研 林育セ九州), 松永孝治, 平岡裕一郎 |
林林木育種において家系評価・個体評価を行うために用いられる検定林はその多くが山間部に設定されている。そのため、斜面等の影響により試験地内の環境変動に起因する誤差が大きい。これまでは試験地内誤差を取り除くために乱塊法等に基づいた試験設計が用いられてきたが,各反復内に環境変動に起因する誤差がある場合はその影響を除去することができなかった。本報告では、近年海外で導入されている空間自己相関を用いた立地修正法をヒノキ一般次代検定林において試行し、その適用の可能性や問題点の評価を行う。 |