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初期成長に優れた宮崎県産スギ精英樹における壮齢期以降の形質特性について
古澤英生(宮崎県林技セ),武津英太郎,千吉良 治,高橋 誠  本県では、スギの標準伐期齢は35年であるが、様々な要因から標準伐期齢以上の林分が増加しており、現在、8齢級(36年生)以上のスギ人工林は、その面積の7割以上を占め、伐採可能林分が増加している。今後も同様な傾向が続くことが予想されるため、標準伐期齢以降のスギの成長形質・材質形質を把握することが重要となっている。今回、次代検定林において標準伐期齢の検定林(33年生)とそれ以降の検定林(43年生)において、初期成長に優れたスギ精英樹を中心に各形質について調査し、一部知見が得られたので報告する。

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九州育種基本区におけるヒノキ精英樹の
炭素固定量の評価に向けた材密度と材積の育種価の評価方法の検討
武津英太郎(林育セ九州),松永孝治,倉原雄二,千吉良 治,高橋 誠,倉本哲嗣 森林は二酸化炭素の吸収源として期待されており、森林総合研究所林木育種センターでは遺伝的改良による森林の炭素固定量の増加を目指している。そのためには材密度と材積成長の2形質について遺伝的特性の評価と選抜が必要である。本報告では、九州育種基本区のヒノキ精英樹について、複数の次代検定林におけるPilodynによる材密度の簡易推定値と樹高・胸高直径の定期調査データを基に、使用する統計モデルや測定個体数・測定方法などが育種価の評価に及ぼす影響および材密度と材積の遺伝的関係性について検討したのでその結果を報告する。

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成長速度に優れた種苗の多様な施業下での成長パターンの解明
宮崎潤二(佐賀県林試),挽地あい子,小部弥太郎,宮里 学,古澤英生,佐藤嘉彦,高橋 誠,倉本哲嗣,武津英太郎,千吉良 治,渡辺敦史 佐賀県では、1964年からスギ精英樹間の人工交配を行ってスギ精英樹F1(以下F1)を作出し、それらを県内の試験林へ植栽してきた。そのF1試験地2か所について、樹高等の成長量の調査を行った。また、この2試験地の共通して植栽されていた3クローンについて樹幹解析を行った。これらのクローンの選定にあたっては、2か所の試験林における20年生時の樹高の値を用いて、両試験林において成長が上位、中位、下位のF1系統をそれぞれ1クローンずつ選定し、樹幹解析を行って成長特性を調査した。