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佐賀県におけるシイタケオオヒロズコガ類の発生調査及び防除方法の検討(U)
前田由美(佐賀県林試)
近年、県内の原木シイタケ生産者からシイタケオオヒロズコガ類の被害が拡大しているとの声が挙がっており、これは九州各県の共通課題ともなっている。昨年は、県内における本害虫の被害状況を確認するとともに、防除方法の一つとしてLED光を使った捕虫器の有効性を確認した。今年度は、LED捕虫器で成虫捕殺をすることで、本害虫の子実体への混入を防げるか、またシイタケの収量にどのような影響を及ぼすか調査した。また、今年度の本害虫の発生にどのような影響が及ぶのかについて引き続き調査を行ったので、結果について報告する。

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人工被陰資材を用いたほだ木育成技術の検討(II)
中武千秋(宮崎県林技セ)
現在、伏せ込み時の被陰資材として、寒冷紗等の人工被陰資材が多く用いられている。これらによる伏せ込み方法は、一般的に笠木を用いた被覆に比べ軽作業で効率的であるが、安易な使用により害菌等が発生し、ほだ化に悪影響を及ぼしている事例も多く見られる。このため、人工被陰資材の特性を把握し、完熟ほだ木を育成するためのより簡易で効果的な使用方法の検討を行ったので報告する。

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シイタケほだ場の夏場における気象環境と害菌被害の関係について
宮崎和弘(森林総研九州),中武千秋
シイタケの原木栽培では、地球温暖化の影響による害菌被害の助長が懸念され、実際にここ数年でHypocrea属菌の被害報告が増加傾向にある。そこで、特にシイタケほだ場における夏場の気象環境に注目し、宮崎県諸塚村や熊本県立田山試験林内において、気象環境の測定を行った。また、実験室内で対峙培養試験における、培養温度の違いと害菌類の侵害力の違いの検証を行った。