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菌床シイタケを用いたシイタケ腐敗病の病原性検定法
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有馬 忍(大分県農林水産指導キノコG),根岸寛光,篠原弘亮
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シイタケ腐敗病は1994年11月に大分県内で発生が認められ、Ewingella americanaによる細菌病として本邦では初めて報告された。以降本病はシイタケ原木栽培のほだ場で散発的に発生し、時に甚大な経済的被害を与えている。しかし、本病の発生生態には不明な点が多く、防除方法の検討はされていない。さらに、E. americanaはシイタケ栽培環境から検出されるが、 このような罹病シイタケ以外から分離されるE. americanaの病原性を確認するための簡便な接種試験法も確立されていなかった。今回、生長中の菌床シイタケ幼子実体の菌柄に対して、約107cfu/ml以上の濃度のE. americana懸濁液を0.2ml注入接種する方法で、シイタケ菌柄内部の変性を起こすことが確認できたことから、簡便に病原性の確認が可能となったので報告する。 |
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大径クヌギの活用V −原木しいたけ栽培における原木形状の検討−
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谷崎ゆふ(福岡県森林技セ),金子周平
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伐期を過ぎた大径クヌギは、原木しいたけを栽培するうえで重量があり取り扱いづらいことがネックとなっている。大径クヌギの原木利用を図るため、伏せこみ方法を簡略化して省力化を図ることを目的に、ほだ化を促進する原木の形状や接種方法を検討した。原木は、1.刻み、2.刻み+駒埋め、3.短材、4.半割りの方法で加工し通常打ちとシイタケの発生量、発生個数等を比較した。原木の加工方法によりシイタケの発生量が通常打ちに比べて増加し、一個あたりの重量も増加した。一方、減少するものもあり加工形状により収量に差があった。大径クヌギのシイタケ原木利用に適する加工方法について新たな知見が得られたので報告する。 |
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原木乾シイタケの冬期発生におけるビニール被覆の開閉効果について
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甲斐 充(大分県農林水産指導キノコG)
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シイタケの冬期発生量を増加させることを目的に、日中にビニール被覆を開閉する方法を検証するとともに、その子実体について選別調査を行った。平成23・24年の試験では中温性4品種を使用し、ビニール被覆を週5回開閉する方法で、試験を行った結果、冬期発生量が対照区に比べ平均で約20%増加した。さらに25年度は中温性2品種を使用し、ビニールの開閉回数を変えて試験を行った結果、冬期発生量は2品種ともに週5>週2>週0>被覆無しの結果になった。また選別調査の結果、冬枕膜nの42mm以上の量についても、2品種ともに週5が最も多く、次いで週2であった。以上のことから、冬期にビニール被覆を行い、日中に開閉することによって、冬期発生量が増加するとともに、サイズの大きいシイタケの量も増加する傾向があることが分かった。 |