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原木シイタケ栽培における成型駒の蓋の検討について
小畑 明(宮崎県林技セ)
宮崎県では、原木による乾シイタケや生シイタケ栽培において、比較的多くの生産者が成型駒を使用している。そうした状況の中で、発泡スチロール製の蓋がほだ場に散乱することへの環境への影響や、選別の際に発泡スチロール製の蓋が製品へ混入し自然食品としてのイメージを損なうことが大きな課題となっている。そこで、発泡スチロール製の蓋を環境に優しいスギバークからつくった蓋に代えて試験を行い、一部知見が得られたので報告する。

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ナメコ菌床栽培における焼酎粕の利用
新田 剛(宮崎県林技セ)
近年、きのこの価格は低迷しており、更に、生産コストの増大により経営は厳しい状況にある。このため、安価でかつ増収等の効果が得られる培地材料の探索及びその利用技術の開発は重要な課題である。これまで、宮崎県の特産品である焼酎の製造時に産出される焼酎粕から調製された焼酎粕乾燥物について、シイタケやマイタケの菌床栽培用培地の添加物としての適合性について検討してきた。その結果、シイタケやマイタケでは子実体の増収効果が認められるとともに、収穫された子実体には多量のアミノ酸が含有されていた。今回は、ナメコの菌床栽培において、増収やコスト削減、栽培期間の短縮についての焼酎粕乾燥物の効果等を検討したので報告する。

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地域の低利用森林資源を活用したシイタケ菌床栽培の実証試験
川本啓史郎(長崎県農林技術開発セ),神田孝夫
長崎県平戸市はシイタケ菌床栽培が盛んであり、県外のコナラを菌床用原木として用いて培地を製造している。平戸市にはマテバシイおよびスダジイ林があるが、それらの多くは活用されていない。試算によると、マテバシイおよびスダジイは、県外のコナラの約5割程度の価格で購入可能である。そこで、低利用森林資源(マテバシイおよびスダジイ)の有効活用と菌床製造コスト縮減を目的として、マテバシイおよびスダジイが菌床用原木として活用可能であるか試験を実施したので、その内容を報告する。