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殺菌原木によるアラゲキクラゲの栽培特性
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関谷 敦(森林総研九州)
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アラゲキクラゲ原木栽培における適木はアカメガシワ、エノキ、ポプラなど材が柔らかく、樹皮の薄い樹木とされている。コナラも適木となっているが、クヌギは不適木とされている。今回、シイタケ原木として入手しやすいコナラおよびクヌギを使用し、殺菌原木栽培を行ったところ、両樹種ともに植菌当年において子実体が発生した。収穫量はコナラよりもクヌギの方が多かった。不適樹種と言われるクヌギ原木から子実体が発生した理由として、子実体は樹皮でなく木口面から発生しており、原木を殺菌する際、原木を袋詰めするため約15cmの短木にし、木口面を多く裸出させたことによると考えられた。 |
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ニオウシメジ野生株の露地栽培試験 −プランタ栽培および腐葉土の検討−
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森 康浩(福岡県森技セ),金子周平,嶋田雄一,川端良夫,庵原教平,瀬井銘子,三浦哲久
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ニオウシメジは、日本では群馬県以南に分布する大型の食用キノコである。福岡県では、2007年に宗像市の海岸マツ林で約35kgの株が発見されて話題になった。本県での子実体の自然発生は珍しく、地元の要望に応え、同株より組織分離した株の露地栽培化に取り組んできた。これまでに、菌床用培地の組成は広葉樹おがことフスマと腐葉土が適すること、子実体収量は28℃以上の積算温度と正の相関があること、地理条件の異なる複数の場所で普遍的に子実体発生が認められることなどを明らかにした。今回は、菌床を露地に直接埋め込む以外に、プランタに埋め込む方法を新たに試した。また、埋め込み時に菌床に覆土する用土は、これまで特定のメーカーの腐葉土を使用してきたが、他社製の腐葉土でも栽培可能かどうかも調べた。これら小規模試験の結果に加え、レストランを抱える地元の田園生活体験施設にて、400菌床を露地栽培した結果も報告する。 |
812 | ヤブツバキ種子の充実過程 |
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田嶋幸一(長崎県農林技術開発セ),前田 一,久林高市,前田 学,井出俊子
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長崎県五島列島は、ツバキ油の全国1?2位を争う産地となっている。五島列島では、ツバキ油の原料であるヤブツバキの種子は、ヤブツバキの実を天日干しして採取する。落ちた種子を拾う地域と異なり、実の段階で種子の充実度を判断する必要がある。時期別にヤブツバキの実を採取し、種子に含まれる油の量をもとに種子の充実状況について調査を行ったので、その内容を報告する。 |
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チップボイラーに供給する燃料チップの乾燥
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前田清水(鹿大農),寺岡行雄,小幡 透
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生チップボイラーは55%の含水率でも稼働するとされているものが多いが、運転の仕方や施設の立地によっては煙が問題になる場合がある。これを防ぐにはチップの含水率を下げることが有効だが、チップの乾燥についてはあまり事業例がない。そこで、実際の供給事例、乾燥事例を調べ、燃料チップの人工乾燥について試験を行った結果を報告する。 |