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衛星リモートセンシングデータと航空写真を組み合わせたアラカシ林抽出の試行
岡本 南
(宮大農)、光田 靖、小田三保 
 宮崎県北部ではアラカシを原料に白炭の生産が盛んであり、日本でも有数の産地となっている。白炭の個人生産者は広葉樹林を立木買いして、そこからアラカシ材を得ているが、伐採してみるとアラカシの割合が少ないことも多い。広域を対象として、アラカシの占有率が高い広葉樹林分を抽出する技術が求められている。そこで、衛星画像と航空写真を組み合わせてアラカシの占有率が高い林分の抽出を試みた。対象地は宮崎県東臼杵郡美郷町である。既往の研究によりアラカシの抽出に有効であるとされている5月と12月のLandsatデータを用いて、アラカシの占有率が高いと予想される常緑広葉樹林分を30 m解像度で抽出した。次に、抽出された30 m解像度の1ピクセルを単位として、航空写真の色調やテクスチャからより精密にアラカシの占有率が高い林分であるかを判別した。

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航空レーザ計測による樹頂点位置情報の評価
板谷洋輔
(鹿大農)、寺岡行雄、加治佐剛
 近年のレーザ技術の発展は、広範囲な森林資源情報の把握を可能にしたが、計測可能な箇所が限られている。レーザ技術の一つである地上レーザ計測は、胸高直径や曲がりなどの情報取得が可能であるが林冠上の情報取得は困難である。また航空レーザ計測は林冠下の樹幹情報の取得は困難であるが、地形や樹高の情報を広範囲に取得できる。それぞれ取得している単木情報を一致させることで、それぞれの取得困難な情報を補うことが可能と考えられる。そのためには一致させる単木が地上レーザによる根元位置情報と航空レーザによる梢端位置情報で同一の単木を示す必要がある。しかし、航空レーザ計測による単木の位置情報は樹頂点位置情報から導出されているため、樹冠が重なって梢端が見えない場合や二又木の場合などの誤差要因が多い。そこで本研究では、航空レーザ計測から導出された梢端位置情報と同一の単木の根元位置の確認、および梢端位置情報の精度評価を行う。