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鹿児島県の森林土壌におけるアーバスキュラー菌根菌の胞子密度
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畑 邦彦
(鹿大農)、大山寛満、曽根晃一 |
アーバスキュラー菌根菌(AM菌)が南九州の森林にどれくらい存在しているかを明らかにするため、鹿児島県内の様々な森林土壌における胞子密度を調査した。試料土壌は2014年6月~11月に、鹿大農学部附属高隈演習林のスギ人工林、スギ人工林の皆伐跡地、間伐地、ヒノキ人工林、常緑広葉樹林、スギ実生苗畑、同桜島溶岩実験場のクロマツ林、桜島有村展望台付近のクロマツ林、桜島湯平展望台近くの常緑広葉樹林、吹上浜のクロマツ林、伊作城祉のスギ人工林の11林分から採取した。ウェットシービング法を用いて抽出した粒子のうち、淡~濃褐色の球状で直径50μm以上、かつ線虫の卵でないものをAM菌の胞子とした。土壌5gあたりのAM菌の胞子数は有村クロマツ林が常に0で最も低く、次いで伊作スギ林と溶岩クロマツ林が低い値を示した。他の8林分はそれらよりもかなり高い値を示し、最大値は湯平の平均19.9であった。母樹の位置と胞子密度に有意な関係は見られなかった。 |
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基盤地図情報数値標高モデルから算出した地形指数と褐色森林土土壌亜型との関係
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稲垣昌宏
(森林総研九州)、酒井佳美 |
近年高精度のデジタル地図情報(DEM)が整備され、10mメッシュの標高データは全国規模で整備されている。また、写真測量や航空レーザー測量から作成された5mメッシュ標高データも、九州では広範囲で国土地理院から提供されている。林野土壌分類での褐色森林土等の土壌亜型は、スギの生産力を推定するために、斜面位置の違いによる土壌の乾湿を表現する目的で定義されている。本研究は、高精度のDEMから算出される地形的な湿潤指数(TWI)と実際の土壌調査の結果に基づく褐色森林土の土壌亜型(BA~BF)との関係から、地形データからどの程度土壌型を推定できるかを調べた。TWIの算出は10mメッシュデータおよび、提供されている範囲で5mメッシュデータを用いた。土壌断面データは過去の土壌調査事業メタデータおよび森林土壌インベントリ調査の九州分のデータを用いた。断面位置の近接メッシュのTWI値を抽出し比較した。 |
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熊本県甲佐町に植栽したスギ交配家系11年生林の地上部バイオマスの推定
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酒井佳美
(森林総研九州)、金谷整一、松井由佳里、稲垣昌宏、松本麻子 |
熊本県の舞の原試験展示林に植栽したスギの交配家系(YI家系)の11年生林の地上部バイオマスを推定した。調査林分は平成17年4月にYI家系443本、林縁木としてシャカイン97本を1.8m間隔で植栽し、平成27年11月に全て伐倒した。伐倒前に全ての植栽木の樹高と生枝下高、および胸高直径を測定した。伐倒したYI家系の植栽木10本について幹、枝葉の乾重量を測定し、バイオマス推定のアロメトリー式の作成に使用した。全重量、幹重量および枝葉重量を推定するための最適なアロメトリー式について使用するパラメーターを検討し、地上部バイオマスを推定した。本結果から得られたスギ交配家系11年生林分の特徴を報告する。 |