801
シマハランの青葉化要因の探索について
葛島祥子(長崎県農セ)
長崎県では長伐期施業を主体とする地域において、伐期までの間、収入を得るため特用林産物の生産に取り組んでいる。中でもハラン切り葉は低労務、低コストで栽培に取り組めることから、中山間地域の所得向上に繋がるとして注目されているが、栽培方法に関する研究はほとんど行われていない。シマハランは定植後10年以上経過すると、定植後10年未満のシマハランと比較して青葉率が有意に高く、土壌TC、TN、EC、pHとは相関がないことが明らかになっている。今回、個体毎の地下部重量等と青葉率との関連性を調査したので報告する。

802
ヤブツバキの新芽剪定が結実に与える影響について
田嶋幸一
(長崎県農セ)、黒岩康博、副山浩幸
ツバキの実は、新葉が伸びる時期に生理落果することが判っている。本報では、ツバキ実の結実促進を目的に、幼果の肥大過程において新葉の伸長と養分競合を避けるため、新芽剪定を行い、結実への影響について調査を行った。新葉の伸長と実の肥大過程に差が見られた。

803
シイタケ菌床における三相構造と子実体収量
新田 剛(宮崎県林技セ)
クヌギ木粉を利用したシイタケ菌床栽培について、菌床の三相構造に着目し試験を行っている。既報において、培地含水率を64%に調整したクヌギ菌床の三相構造は、広葉樹菌床と比較して液相率が高く、気相率が低いことが判明し、クヌギ菌床の三相構造を広葉樹菌床に近づけることで安定した子実体収量が得られることを報告した。今回は、更に適正な三相構造について検討するため、各種木粉培地での種々の含水率における三相構造と子実体収量の関係や、菌床調製時から培養後の三相構造の変化について試験を行ったので、その結果を報告する。