201 |
樹幹表面積に基づく林分密度指標の提案
|
---|---|
井上昭夫 (熊本県大環境共生)、西園朋広 |
樹幹表面積の保存則(Inoue and Nishizono, Eur. J. For. Res., 2015)を基礎とした新しい林分密度指標を提案する。この指標は,単位土地面積あたり樹幹表面積合計(S)の上限値に対する対象林分のSの割合として表され,これを「相対樹幹表面積(Ra)」と名づける。わが国のスギとヒノキの人工林におけるデータをもとに,Raと収量比数(Ry)ならびに相対幹距(Sr)との関係を調べた。その結果,RaとRyならびにSrとの間には,それぞれ直線的ならびに曲線的な関係がみられる一方で,Raの方がより広いレンジを示すことがわかった。これらのことは,Raの林分密度指標としての有用性を示唆している。 |
202 |
宮崎県における長伐期施業に対応したスギ地位指数曲線の検討
|
---|---|
小田三保 (宮崎県林技セ)、古澤英生、福里和朗 |
宮崎県の主要造林樹種であるスギの人工林面積(民有林)のうち、約77%の13万haが標準伐期齢を超えた林分であり、伐採可能な森林資源が充実している一方で、長伐期施業による森林管理が必要な林分が増加している。森林管理には、森林資源量の正確な把握と将来の成長予測が必要であるが、現在使用している収穫予測表および地位指数曲線は50年生までしか調製されておらず、現状に合っていない。そこで、スギを対象に長伐期施業に対応した林分収穫表の調製に取り組んでいるが、今回は、調製に必要な地位指数曲線について検討を行ったので報告する。 |
203 |
福岡県におけるタケ資源量推定資料の作成
|
---|---|
楢崎康二 (福岡県農林試資活セ)、佐々木重行 |
安価なタケノコや竹製品の輸入増加等により放置竹林が増加し、隣接する林地や、農地等へ侵入する被害が生じている。一方、近年ではタケの旺盛な成長力、再生力が着目され、燃料や農業用資材などへの利用が進められている。今後、タケをバイオマス資源として計画的に利用していくためには、竹林の資源量を把握する必要がある。そこで本研究では、県内のモウソウチク林73点の林分調査データより、タケの資源量を推定するための資料を作成した。うきは市および北九州市内のモウソウチク林で伐採したタケから胸高直径と稈重量(乾燥重量)の関係式(y=0.032x2.571,y:稈重量(kg) x:胸高直径(cm))を求め、各調査林分の稈重量を推定した。単位面積(ha)あたりの立竹密度別の稈重量(乾燥重量)は、疎(3,001~5,000本)70t、中(5,001~7,000本)106t、密(7,001本以上)155tであった。 |