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地上LiDAR及び航空機LiDARの計測データの精度について
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末松直輝 (九大生資環)、太田徹志、溝上展也、吉田茂二郎 |
近年、ICT(Information Communication Technology : 情報通信技術)を森林管理や調査、施業に活用する、いわゆる「スマート林業」への関心が寄せられており、その中でも地上LiDAR(TLS)や航空機LiDAR(ALS)を用いた計測が注目され始めている。しかし、急速に進むLiDARの調査・研究(Whiteら,2016)に伴ったデータの品質保証(QA : Quality Assurance)・品質管理(QC : Quality Control)に関する調査・測定はまだ少ない。特に日本のような下草が繁茂している林分や、地形の急峻な地域、及び複雑な林分構造を有する、地域でのTLSおよびALSのデータ精度についての調査は、あまり実施されていないようである。よって本学会においては、森林計測における地上LiDAR、航空機LiDARを用いた計測・調査に関する国内外の論文をレビューし、それをもとに、日本でのLiDARの利用可能範囲について検討したいと思う。 |
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高隈演習林における航空機レーザ計測による林分材積の推定
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米森正悟 (鹿大農)、加治佐 剛、寺岡行雄 |
森林経営や森林計画には、経営対象の森林資源の棚卸が基本となる。しかし、森林簿の数値は林分収穫表により自動的に更新されておりその精度に問題がある。近年、航空機レーザ計測技術(以下,LiDAR)の発展により、林分内の樹高分布を単木レベルで把握できるようになってきた。LiDARから得られる詳細な森林情報を用いれば、乖離しているといわれている森林簿や林分収穫表の更新に用いることができる。しかし、LiDARから推定される林分材積と現地調査から得られる林分材積がどれくらい一致するかを研究した事例は少ない。そこで本研究では、LiDARにより推定した林分材積と現地調査から得られた林分材積を比較しその違いを明らかにすることを目的とした。 |
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林地生産力の推定に向けた地位指数とDEMから求めた地形因子の検討
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鶴崎 幸 (福岡県農林試資活セ)、楢﨑康二 |
林業収益性の向上を図るためには、主伐等森林施業の効率化を進める必要がある。そのためには、施業の基本単位となる林小班スケールで、林地生産力が高い林分など経営に有利な場所を選定する必要がある。しかし、現在の福岡県林地生産力分布図は500m区画で作成されているため、林小班単位での情報が得られない状況である。そこで本研究では、より細密な林地生産力分布図に更新することを目的として、県内スギ林90点で樹高を計測し、調査地の地位指数から、まずは現行の林地生産力分布図を検証した。その結果、林地生産力が同程度の区画でも地位指数はばらついていた。これは、各区画の面積が広く多くの地形が包含されているため(竹下ほか 1971)と考えられる。続いて国土地理院10mDEMから求めた地形因子と地位指数との関係を分析した結果、累積流量等、水を表現する因子と樹高の相関が高かったが、各因子を計算する空間スケールの更なる検討が必要と考えられた。 |