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宮崎県宇納間地区における日向備長炭の持続的生産に向けたアラカシ林抽出手法の開発-立地特性に着目した手法-
岡本 南
(宮大農)、光田 靖、小田三保 
 宮崎県北部ではアラカシを原料とした白炭(日向備長炭)の生産が盛んであり、日本三大備長炭の産地となっている。個人生産者たちは外観からアラカシの占有率が高いと予想した林を立木買いして原料を得ているが、伐採してみるとアラカシの割合が少なく採算が合わないという事態も生じている。そこで広域を対象にアラカシ占有率の高い林を抽出する手法の開発を試みた。これまでの研究ではアラカシ樹冠の季節的な色調変化に着目しLandsatデータのみを用いた抽出手法の開発を試みていたが、アラカシ占有率の高い林を抽出することは困難であった。そこで傾斜が急な谷筋にアラカシが多く分布するとの知見をもとに、アラカシの立地特性に着目した手法の開発を試みた。既往の研究を参考にLandsatデータを用いて30m解像度で常緑広葉樹林を抽出した。次に、抽出した常緑広葉樹林からアラカシの占有率が高いと考えられる立地条件の林を10m解像度のDEMを用いて抽出した。

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九州からの木材輸出の現状について
姜 拓
(鹿大農)、加治佐 剛、寺岡行雄
 近年、九州からアジアに向けた原木輸出が急激に増加している。特に志布志港からの原木輸出は平成27年度に20万m3となり、第1位となっている。このような大量原木輸出が可能となった背景と現状をヒアリングにより調査した。

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鹿児島県における木質ペレット製造の可能性
福永敦子
(鹿大農)、加治佐 剛、寺岡行雄
 九州内にはいくつかの木質ペレット製造工場があるが、鹿児島県内にはない。ペレットの需要が少ないことが主な理由である。木質ペレット製造には、製造工場の初期投資が大きいこと、ある一定量以上の販売先がなければビジネスとして成立しないこと、原材料としてのオガコが安価に安定的に入手可能なことなどが条件となる。そこで、鹿児島県内での木質ペレット製造の可能性を検討するため、プレカット工場と木材二次加工工場でヒアリング調査を行った。取り扱う乾燥材からプレカットや二次加工でのオガコの排出原単位を求めた。また、それぞれの工場から排出されるオガコの粒度と含水率の計測を行った。