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根鉢サイズの違うスギ挿し木コンテナ苗と裸苗の植栽後の成長について

川中 守(熊本県林研指)、松井由佳里
持続可能な林業経営を実現するため、再造林コストの削減が課題となっている。熊本県においてもコンテナ苗を利用した一貫作業システム導入推進に取り組んでおり、平成30年度までにコンテナ苗を年間80万本生産できる体制を整備する計画である。本県で生産されているスギコンテナ苗は、根鉢容量300ccと150ccの2種類があり、300ccと150ccの使い分けについて何等かの方向性が必要と思われるが、根鉢サイズの違いが植栽後の成長に与える影響について検討した事例が少ないのが現状である。そこで、根鉢容量の異なるコンテナ苗及び裸苗を平成27年3月と5月に植栽し、当年、1年後、2年後までの成長量について調査したので比較結果を報告する。

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根鉢容量150 ccのスギコンテナ苗の生存率と初期樹高成長は裸苗や根鉢容量300 ccのコンテナ苗と異なるのか?
内村慶彦
(鹿児島県森技セ)、河野雄一、是枝久巳
コンテナ苗は国有林を中心に導入が進んだ経緯があり,九州地方の国有林では根鉢容量300 ccのコンテナ苗が活用されてきた。そのような中で,300 ccコンテナ苗については,通年植栽の可能性や裸苗との成長比較についての知見が集積されつつある。コンテナ苗の欠点として,根鉢がある分,苗木重量が裸苗と比較して重いことが挙げられ,植栽の省力化を考えると150 ccコンテナ苗の活用についても今後積極的に検討すべきであろう。150 ccコンテナ苗を活用するにあたり生存率や成長量について300 ccコンテナ苗や裸苗と比較検証し,その違いの有無や程度について知見を集積する必要がある。本発表では,150 ccスギコンテナ苗の生存率と初期樹高成長は裸苗や300 ccコンテナ苗と異なるのかについて,検証した途中結果について報告する。

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宮崎県へのチャンチンモドキ導入の検討
上杉 基
(宮崎県林技セ)、三樹陽一郎
宮崎県の造林樹種の選択肢を増やす取組として、いくつかの早生樹について、育苗・植栽試験に取り組んでいる。その中で、九州山地から西側に自生しているウルシ科のチャンチンモドキについて、種子を入手し、Mスターコンテナとロングポットで育苗を試みた。ロングポットでは、培地に混合する元肥の量を変えて、苗高・地際径の差を比較した。植栽試験では、27本を2.5m間隔(1,600本/ha)で植栽し、一部には、獣害防止のため樹脂製チューブを施工している。これら、育苗から植栽試験までの途中経過を報告する。