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根量および葉量の異なるスギ挿し木苗の植栽直後の水ストレスと活着
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新保優美 (宮大農)、古里和輝、伊藤 哲、平田令子、長倉良守 |
近年、摘葉による苗木の水ストレス軽減や活着率向上が報告されているが、これらは吸水器官とのバランスによって決まるはずである。通常の裸苗は苗木を十分に発根させてから根切りをして出荷するが、根系未発達で活着させられれば、育苗期間が短縮できる可能性がある。そこで、根量と葉量の適切なバランスを知ることを目的とした。2017年5月に根系未発達のスギ挿し木少根苗を40本および対照として裸苗を20本植栽し、そのうち半数を摘葉した。定期的に樹勢の判定および蒸散速度の測定を行い、植栽初期の水ストレスを評価するとともに、根量と葉量の関係を分析した。植栽1か月後の時点では、少根苗は裸苗よりも樹勢が低下したが、摘葉した少根苗では、摘葉なしの裸苗と同等の活着を示した。したがって摘葉をすれば、根系未発達苗の春出荷が期待できるかもしれない。本講演では、その後の苗の活着、水ストレス、成長、および物質分配について考察する。 |
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スギ挿し木の発根におけるカルス形成の役割について
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川路龍之介 (宮大農)、中村 凌、雉子谷佳男、平田令子、伊藤 哲 |
挿し木の発根プロセスとして、挿し穂基部や摘葉部におけるカルス形成のステージと、その後の発根および根系発達のステージとが報告されている。しかし、挿し木の発根プロセスにおいてカルス形成がどのような役割を担うのか不明な点が多い。そこで本研究では、挿し木のカルス形成の有無と挿し木の内生植物ホルモン量との関係について報告する。予備試験では、カルスを多量に形成した挿し木ではサイトカイニン(ゼアチンおよびゼアチンリボシド)およびジベレリン(GA4およびGA9)が顕著に存在した。さらに、挿し木試料内の植物ホルモン分布において、カルス発生場所から離れるに連れて含有量が低下した。さらに多数の試料について分析実験を進める予定であり、それらの結果と合わせて報告する。 |
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ヒノキ挿し木の発根におけるカルス形成の役割について
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十時しおり (宮大農)、雉子谷佳男、平田令子、伊藤 哲 |
挿し木の発根プロセスとして、挿し穂基部や摘葉部におけるカルス形成のステージと、その後の発根および根系発達のステージとが報告されている。しかし、挿し木の発根プロセスにおいてカルス形成がどのような役割を担うのか不明な点が多い。そこで本研究では、ヒノキ挿し木のカルス形成の有無と挿し木の内生植物ホルモン量との関係について報告する。水耕栽培で2ヶ月間、ヒノキ挿し木を育てたところ、カルス形成および発根が確認された。カルス形成量や発根の違いと各種内生植物ホルモン量との関係について報告する予定である。 |