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根切り等処理による青葉化シマハランの新葉への影響
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葛島祥子
(長崎県農セ) |
シマハランは定植後の年数経過に伴い、斑がない青葉が発生する青葉化個体が増加し収益性が低下することから問題となっている。青葉化個体から再び斑入りの葉を発生させるには、株分けが有効であると明らかになっている。しかし株分けは労力を要することから異なる方法が求められている。定植後の年数経過や株分けによって、生育密度やTR率等が変化しており、これらの中に青葉化に関連する要因が含まれると考えられる。そこで、青葉化個体に対して株分けより低労務な方法で生育密度等を変化させるため、根切り等の処理を行いその後の経過を調査した。 |
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テリハボク(Calophyllum inophyllum)傾斜木から発生する萌芽枝の特徴について
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楠城時彦
(林育セ西表) |
テリハボク(Calophyllum inophyllum)は,日本では南西諸島と小笠原諸島に分布する熱帯性の常緑高木であり,防風林・防潮林の構成樹種であるとともに,建材,家具材,工芸品や種子油として利用される重要林木である。一方,本樹種は典型的な「暴れ木」であり,側枝の成長が極めて旺盛である。このため,街路樹として道路沿いに植栽された場合には,交通の安全を確保するために特に適切な樹形管理が必要となる。本研究では,西表熱帯林育種技術園圃場に植栽された5~7年生のテリハボク約2,000本のうち,台風等により傾斜した個体から発生する萌芽枝の特徴を調査した。その結果,主幹が傾いたことによる萌芽枝に上偏性があること,萌芽枝が上偏発生する個体の主幹の傾斜角度には閾値があること,庇陰下では傾斜木の萌芽枝発生が抑制されることがわかった。これらの知見は,テリハボクの樹形形成の理解につながるものであり,また街路樹の適正管理の一助となるものである。 |
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5-アミノレブリン酸(ALA)溶液の散布による数種の庭園樹挿し木の発根への効果
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作田耕太郎
(九大農) |
挿し木による苗木の作成は,遺伝的性質を保持したまま植物体を増殖できるという利点と作業の簡便さなどから広く行われている。しかし,挿し木の成功には樹種や周囲の環境など様々な因子が影響することから,より発根率を高めるために様々な研究が行われている。5-アミノレブリン酸(以下,ALA)はクロロフィルの前駆体であり,植物にとって重要な物質である。低濃度の施用では成長の促進や非生物的ストレスに対する抵抗性の上昇が認められており,成長調節剤として利用されている。植物へのALAの施用は,成長促進とストレス抵抗性の向上が期待されるものの,挿し木に応用した例は少ないながら,ユーカリ属数種の挿し木において,ALAの定期的な葉面散布が発根率を大幅に上昇させた事例もある。本研究では,庭園樹数種を用い,ALA溶液の葉面散布処理が挿し木の発根に及ぼす効果について検討した。 |